千葉県柏市内に設置された「ブランコで発電してスマホを充電」の装置(ブランコ)が紹介されて

いた。構造は、前後の揺れ(ブランコを漕ぐ)をVプーリで2段階増速し、発電機を回す方法と   なっている。尚、行きも帰りも発電可能

とする。→

 

 

 

1.そこで、機械エネルギーの試算と電気エネルギーの試算をしてみた。

   基礎知識として、1秒間に1[J]のエネルギーを消費するときの消費電力(仕事率)が1[W]である

    ⇒1(W)=1(J/s) 

   そして、1[W]を1時間消費し続けたときの電力量(仕事)が1[Wh]である

    ⇒1(Wh)=1(J)*1(h)*60(分)*60(秒)=3600(J)

   仕事 W は加えられた力が F(N) で、力の向きに動いた距離が x(m) とすると

    W=Fx

    仕事 Wの単位は J (ジュール)で,1N の力を加えて、1m 物体を動かしたときの仕事が 1J である

    ⇒1(J)=1(N)×1(m)=1(Nm)    (J)=(W・S)=(J/S*S)  →仕事Wは1秒間に1J行うこと

スマホの代表的な性能は、

 定格3.8v3200mmAh(12.16wh)として計算を進める。

  12.16wh=0.01216Kwh=12.16(wh)*3600(J)=43,776(J)=43,776(N・m) ・・・・・(1)

 つまり、このスマホは「3.8vで3200mmAの電流を1時間流した時と同量の電気エネルギーを蓄積することができる。」ということ。

  一方、この装置(ブランコ)の発電実績は、

   5分間ブランコをこぐとスマホ3%充電

       12.16(wh)*0.03(3%)=0.3648(wh) ⇒0.3648*3600=1313.3(J) ・・・・・・・・・・・・(2)

   30(~50)分間ブランコをこぐとスマホ30%充電

       12.16(wh)*0.3(30%)=3.648(wh) ⇒3.648*3600=13,133(J) ・・・・・・・・・・・・・・(3)

   1時間ブランコをこぐとスマホ100%充電

       12.16(wh)*1.0(100%)=12.16(wh) ⇒12.16*3600=43,776(J) ・・・・・・・・・・・・・(4)

   (結構ばらつきがある。その要因として体重の大小、周期の長短、振れ幅の大小等考えられる)

 

2.ブランコが生み出す機械エネルギー(ポテンシャル)

  高低差(地面から):約300mm  (この数値は、勝手に判断したもの)

  周期(往復):3往復で7.2秒

   7.2(s)/(3*2)-=1.2(s)(往復)

  仕事;W=mgh(J)                     ・・・・・・・・・・・(5)

  (体重;70kgの場合)

   70(kg)*9.8(m/sec2)*0.3(m)=205.8(J)  ・・・・・・・・・・・(6)

    ここで、mg=(N)=686(N)            ・・・・・・・・・・・(7)

   そして、205.8(J)/1.2(s)=171.5(w)    ・・・・・・・・・・・(8)

 

3.機械エネルギーから電気エネルギー

  バッテリー容量;12.16(wh)=43,776(J)を機械エネルギーで満充電する時間は

  (1)を(6)で割って、

   43,776(J)/ 205.8(J)=212.71(s) ⇒3.545(min)

    発電実績より、

   5分間(2)では、1313.3(J)/ (205.8(J)*5(min)*60(s))=0.02127 ⇒効率2.2%

   30分間(3)では、13,133(J)/ (205.8(J)*30(min)*60(s))=0.03545 ⇒効率3.5%

      60分間(4)では、43,776(J)/ (205.8(J)*60(min)*60(s))=0.05908 ⇒効率5.9%

  このように連続して漕いだ方が、幾分効率がアップする。

  平凡な装置としてはこのようなものといえる。

 

以上、試算してみましたが、ご異論のある諸兄には、よろしくご教示願います。