ちょっとした違い
:“自分のために働く”ってどういうこと?
: そうだね~
よく 「“会社のために働いてる”って思うと理不尽さに耐えられなくなるから
“自分のために働く”って思ったらいいよ」なんて話は耳にするよね そういうこと?
:そうそう 昨日も先輩にそんな風に云われて・・
:そうか、いい先輩に恵まれたね そういう本音のアドバイスしてくれる人って大切にしないと
ただ“自分のために働く”っていうのは実は非常にあいまいな表現なんだ
:あいまい?
:つまりいろいろな受け取り方があるってこと
:例えば、「働くということは、お金を払ってくれる相手に対して最大のサービスをしている」と仮定すると、
従業員だと給料を払ってくれる会社に対して最大のサービスをしていることになるよね
:
:ピンとこない?じゃ、仕事をしていて、会社のやり方と自分のやり方が合わなかったときどうする?
:会社のやり方に従うかな・・
:そうだよね、そのほうが賢いよね
てことは、物理的に“会社のために働いている”ことになるよね
:そうか!
:じゃ反対に“お客さまのために働く”というとどうなる?
:最大のサービスの相手がお客さまということだから、自営業者のように働くってこと?
:そういうことになるかな でも広い意味で自営業者は会社でいうと経営者に当たるよね
でその経営者たちはお金を払ってくれる相手(お客)に対して最大のサービスをしている
:
:つまり、従業員、サラリーマンなどの雇用されている人たちも、
自営業者や経営者も給料をもらうという意味では同じだけれど、
サラリーマンは会社のために働き、その働き具合によって給料は会社が決めるから制限があるのに対して、
自営業者や経営者の収入は売上に対して決まるからゼロから無限大であるということになるよね。
:そうだね~~
:君の先輩の云いたいのは、サラリーマンだって会社のために働けば、その報酬としてお金をもらえる。
そのお金をもらうために、つまり“自分のために働いている”ということにもなるね。
:それとは別に、その会社に勤めていることで学ぶこともたくさんあるはず。
お金のためだけじゃなく、自分のためになることを学ぶこともできると云う感じにも考えられれば、
”自分のために働いている”と思えるかもしれないねということじゃないかな? だけど、難しい?
:難しいわ~
:一方、自営業者や経営者も、従業員に払ったあとの残りのお金を報酬としてもらえるから、
そのお金をもらうために、つまり“自分のために働いている”ということにもなるね。
つまり立場は違っても思いは同じってことになるよね。
:ただ、話しているコトバの意味が同じじゃないとせっかくのアドバイスもだいなしになる場合があるということ
:なるほどね~。
:金持ち父さんのコトバを借りると“お客さまのために働く”ことは、
支払いを先送りすることなので“タダ働きをする”ことになる。
で、“会社のために働く”ことは労働の対価として支払いを受け取ることなので
“お金のために働く”ことになるらしいよ。
:だけど、結果的に、どちらも自分のために働いていることになるよな~。この違いは大きいね