この記事のタイトルを、「カースト制度再考」としたことを
悔いています。
まるで、「カースト制度最高♡って、讃えているみたい。。。

同音異義語が多い、日本語の厄介な一面ですな(*´Д`)=з


前回、インドのカースト制度について、
インド政府は実はいろいろやっているみたいです、
と書いた話のつづきです。



サンディエゴで知り合い、仲良くなった
インド南部出身のダニー&ヴィニータ夫妻。

ダニーはアメリカの大学で電子工学を学び、
一流企業にエンジニアとして勤務中。
そして奥さんのヴィニータは、
インドの一流大学で機械工学を学んだ才女。
どちらも、親は会社経営、
兄妹もみんなエンジニアという、
裕福でエリートな家庭の出身です。

お金も教養も国際性も。
そんな彼らは、想像した通りというか、
上級カーストの出身だそうです。

ん???

ここでちょっと質問。

低いカーストの人の境遇って、
どんなイメージをもっていますか?

貧しくて、教育を受けられない。
学歴がなくて、就職できない。
貧困と差別の負の連鎖が、
連綿と子孫に引き継がれていく。。。

のでしょうか?


ヴィニータの説明です。


「下級カーストは、貧しい家庭が多くて、
子どもは十分に勉強できなくなるから、
学校の成績もどうしても低くなってしまう。
そんな現状を配慮して、入学試験では
下級カーストのための割当があるんだよ。
だから彼らは、上級カーストの子どもより低い点数で、
良い大学に入学できるんだ。」

「下級カーストに属していても、
努力して豊かになる人もいる。
私の友だちも、何人かは下級カーストだけれど、
上級カーストの私の親よりずっと金持ちだよ。
でも、私が上級カーストである以上は、
彼女たちより高い点数をとらないと、不合格とされてしまう。」

「上級カーストでも、貧しい家庭は貧しい。
だから、奇妙なことも起きるんだ。
親が貧しくて十分に勉強できなくても、
上級カーストだからと、合格点を厳しくされて、
良い大学に入れなくなる。
公務員になるのも、
下級カーストのための割当があって、
上級カーストだから就職できない、ということが起きる。
つまり、『貧しい上級カースト』は、
お金がない、学歴もない、仕事もない、
という、何重苦にもなるんだよね。」


おお。。。Σ(・ω・ノ)ノ!
これ、ちょっと、意外な話でないですか?


インドにはカースト制度があり、
差別として批判を受けながらも、
社会に深く根付いているために
現在に至るまで続いています。

チャンチャン!

そんな教科書の説明からは、とても想像つかなかった、
「逆差別」というか、現代インド社会の不公平なお話。

この優遇措置に関してはむしろ
「被害者」のヴィニータは、どう思ってるんでしょう?


「私自身は特に不満ではないよ。
いろんな家庭があるけれど、やっぱり、
下級カーストは貧しい場合が多いから、
優遇措置は必要ではあると思う。」


心が広いですなヾ( ´ー`)


「地域や個人によっては、下級カーストが
ひどく差別されることももちろんある。
カースト制度自体をやめればいいとも言えるけれど、
インド社会の基盤になってしまっているから、
誰も声に出してはいいたがらないんだよね。」

としめくくった彼女。


今日もたくさん学ばせていただきました。
ヴィニータちゃん、ありがとう。
ペコリ。m(..)m


カースト制度なんて、そんなひどい差別が
いつまでも続いているなんて、信じられないー。(`×´)

そんな程度の認識だった、自分の視野の狭さに恥じ入る、
貴重な機会となりました。