夜、ジェアン伯爵のディナーから帰ったら、カエール侯爵の屋敷のドアで私達の帰りを執事が待っていた
「お帰りなさいませ。レオナ様はお待ちです」と。
カエール侯爵の顔に笑みが浮かべた。
居間に入ると、ソファに座っていた女性が立ち、軍人らしく一礼をし、頭を下げたまま言う
「新しい将軍として挨拶に参りました、ヴェンドメ准将軍」と。
カエール侯爵は上機嫌な顔で向かいのソファに座る
「基本は准将軍のワタシが将軍の所に挨拶に行くが・・・」と私と話す時と同じ口調で将軍と話している。この女性は誰?ー「頭あげて、座りなさい、レオナ」
「はい」
レオナと呼ばれる女性は私と同じ黒い髪と緑の目をしていた。もしかしたら、私と同じ南の人なのかもしれない
「もう父上の所に挨拶に行ったか」
「ヴェンドメ将軍の所に明日の朝に行くつもりです。先にヴェンドメ准将軍の所にと思いまして・・・」
カエール侯爵は満足そうにレオナ将軍を見る
「正式に将軍としての仕事を始めるのはいつ?」
「来週は正式に王室に紹介される予定です」
「来週か。ワタシも行かないと・・・」
「これからのことはもう決めましたか」
「いいえ。お前は将軍になれば、自由に動けるけど、バランスをまだ崩すわけにはいかないからね。今のところ、自分の動ける範囲をよく確認して、味方を探してくれ」
「分かりました」
「これで軍を動かしたいようにできる」とカエール侯爵は意味ありげに微笑んだ「あ!そうだ、紹介する。レオナ、アリアネは今ワタシの護衛兵を務めている」と私をレオナ将軍に紹介した
レオナ将軍は私を見つめた、嫉妬している目で。
私は侯爵を見る。そしてカエール侯爵は微笑む
「二人とも、仲良くしてください」と微笑みに似合わない厳しい低い声で言う
「レオナ将軍も南の人ですか」と少し空気を軽くしようとする私だった。
「いいえ。母親は南の人だけど、都生まれの令嬢だ」とカエール侯爵はレオナ将軍の代わりに答える。
「ヴェンドメ准将軍は黒い髪の女性に弱いようですね」とレオナ将軍は不機嫌な声で言う
「弱いよ」とカエール侯爵は色っぽくレオナ将軍を見る
「そうですか」と私は聞いたら
カエール侯爵は余裕たっぷり笑う
「仲良くなりすぎて、ワタシを困らせるつもりか」ーと全然困っていない侯爵は言うー「二人の黒い髪に弱いというのは事実だよ。強い眼差しにもね。でもなぜ二人を選んだのか理由は違う。アリアネにしか任せられない仕事があれば、レオナにしか任せられないものもある」
私とレオナ将軍にはもう言うことがない。
「そういう話をするために来たわけじゃないでしょう、レオナ」と話題を変える侯爵だった
「はい。頼まれたように、ジャン将軍を殺した人を探し出しました」
いつの間にカエール侯爵はそのようなことを頼んだだろう。傍にいるというのに、私はまだ知らないことだらけ
「毒の依頼をした人物も分かりましたので、報告しに来ました」
「誰だった?」と真剣になる侯爵。
レオナ将軍はカエール侯爵に紙を渡した
「ヴェンドメ准将軍の意思なら、今すぐに殺しに行きます」
「これで充分。アリアネ、出かける」とカエール侯爵は立ち、レオナ将軍の頭を撫でた
レオナ将軍の顔に可愛いらしい笑顔が浮かべる。
その後、私と一緒にカエール侯爵は馬屋に向かった。
つづく
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