物語52 | Thinelの世界

Thinelの世界

私の描く世界へようこそ


  カエール侯爵は何も言わないまま、書斎のテーブルに座り、テーブルにあった手紙を見始めた。
  結局手紙を投げて、そして低い声で呟く。
  「ワタシは貴族でなければ・・・」と私を見つめる
  「カエール様、魚と鳥は恋に落ちても、住む家がありません」
  「ではワタシに水の中から鳥を見ることしかできないか」
  「水面に一番近い枝にずっといますから」
  「手を伸ばせば、届くかなぁ」と私に手を差し伸べた
  「魚に手などありがませんが・・・」と私はその手を強く握った。
  顔をなぞる涙がこぼれながら、この自由鳥は愛しい魚の腕の中で二人の想いを。


 
                                つづく
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