アブラを抑えるナスの下ごしらえ | スィンクゥ考えてする料理!基本・簡単?レシピを生かすブログ

アブラを抑えるナスの下ごしらえ

ナスは、体の熱を下げるため夏に好まれ、
旬の秋にはおいしくなるためさらに人気が出ます。

 

【茄子の揚げ浸し】

※実際には、揚げずに油で炒めてから、
生姜風味のだし汁に浸してひんやりと冷やしたもので、
仕上げに白ゴマを半分くらいすった「半殺し」を振っています。

 

でも、気になることが一つ。

ナスは、アブラとの相性が良すぎる!
ほぼ漬物以外では、ナス料理はアブラと一緒の料理がおいしい、

それなのに、ナスは、アブラと一緒になると、まるでスポンジの様に油を吸ってしまいます。
しかも、たっぷりとアブラを吸ったナスがおいしいから、手に負えない!

 

でも、ダイエットしているとき、
ナスをたくさん食べたいとき、
ナス料理を頻繁に食べたいとき、
そんなときには、アブラを抑えたい。

ナスの揚げ浸しなら、アブラを使ったナス料理としてはさっぱり感があるほうだけど、

それでも、たっぷり食べたり、頻繁に食べたりするとアブラっぽさに嫌気がさしてきます。

 

 

そこで、ナス料理でアブラを抑える方法をいろいろ考え、試してきた中で、今一番いいなと思う方法をご案内します。

それは、タイトルでもご案内したように、ナス料理での下ごしらえに秘密?があります。

ナス料理でアブラを抑える

ナス料理でアブラを抑えるには、下ごしらえの時に、ナスが油を吸いすぎないようにできれば、よいわけです。

ただ、この方法にも、メリットとデメリットがあります。
まずはこれを検討してから、その方法をご案内したいと思います。

ナス料理でアブラを抑えるメリットとデメリット

アブラを抑えるメリット

●アブラっぽさが抑えられる

ナスをたくさん食べられます。
頻繁にナス料理を食べても、飽きにくくなります。
特に、暑い時期には、熱を下げると言われるナスが油っぽくなければ、大助かりです。

 

 

●カロリーを抑えられる

ナスにアブラを使うと、たっぷりと吸い込みますよね?
これは、ナス料理のおいしさの秘訣でもあるのですが、カロリーが気になるときには、吸い込まれていくアブラの量がとっても気になります。

 

アブラには、ラードの様に常温で固体の脂と、液体の油とがありますが、普通のアブラは大さじ1杯分(12 g)で最低でも110Kカロリーはあります。

もしナスを炒めるときに普通の野菜炒めと同じくらいの量のアブラで炒められたら、かなりのカロリーを減らせると思いませんか?

 


●加熱料理をしても、崩れにくくなる

アブラを吸いすぎないので、果肉が固めになり、煮崩れしにくくなります。
例えば、ナスをアブラで炒めるときにも、ナスの揚げ浸しで冷えて味がしみこんだ後でも、崩れにくいです。

 
 

●熱を通したナスが苦手な人におすすめ。

アブラをたっぷりと含んだとろけるナスは、見方によってはくたくた・グシュグシュとも言えます。私は、子供のころは、このナスの食感が苦手でした。
だから、主に果肉の表面の水分を取り去ってあまり油を多く含んでいないナスなら、ナスの感触が苦手な人にはうってつけかもしれません。

 

アブラを抑えるデメリット

●口に含んだ時の、とろけるようなおいしさがなくなる

アブラが中にしみ込みにくくなるので、果肉がとろけるような柔らかさにならない。
また、果肉にしみ込むアブラが少ないので、ジュワーっとした油のうまさが出にくい。

 

 

●素揚げの最高のうまさは、味わえないようだ。

ナス本来のうまさを最高に味わうには、アク抜きもせずに(アクが出る前に)一つずつ切りながらアブラで揚げていくのが良いようです。

 

ナス料理でアブラを抑える下ごしらえの方法

ナス料理でアブラを抑えるには、下ごしらえで、ナスが油を吸いすぎないにすればよいのですが、
イタリアンやフレンチで使われている技法と私が実際にやっている方法とをご案内します。

 

ポイントは、下ごしらえに、塩を使うことです。

 

 

いずれの方法も、ナスを洗った後、料理にあった大きさ、形にした後の方法です。
輪切りにする場合を除いて、多くのナス料理では、ナスの皮に切れ目を入れたほうが良い結果が出ますが、
これらの包丁を使う下ごしらえが終わった後の下ごしらえです。

 

イタリアンやフレンチで使われている技法

カットされたナスの果肉部分に塩をします。

 

ナスの下ごしらえでは、皮を縞模様に剥くことが多いのですが、その時には皮側の果肉の現れている部分にも塩をします。

 

ナスの果肉部分に塩を置く感じで塩を振ります。
ナスの塩もみのように塩を揉みこんではいけません。
あくまでも果肉をつぶさないようにして、必要以上に塩をしみ込ませないようにします。

 

大体5分くらい経ったら、
ペーパータオルなどで、吸わせるように、水分と共に塩を取ります。
※柔らかな日本のナスの場合は、5分です。あなたがヨーロッパに行ったときに料理するなら、ナスの硬さなどが違うので、大体10分くらいです。

 

輪切りの場合なら、ペーパータオルなどの上に広げ、更にナスの上にペーパータオルを置いて、軽くたたくようにして、水分と塩を吸わせる様にして取ります。
決して、グイグイと拭い取るようにしてはいけません。

 

塩の振り方にもよりますが、通常は少し塩味がついているので、塩加減を調整してください。

 

フレンチやそのもとになっているイタリアンでは、このようにしてナスに必要以上にアブラを吸わせないようにしています。
ナスのアク抜きと、味の濃縮にも役立っているとのことです。

 

ナスの入ったパスタをはじめ、一流のプロが作る料理では、この方法がとられているようですよ。

 

※もともと日本と異なり、料理でアブラを使うのが多いため、たっぷりとアブラを吸ったナスは敬遠されるのだと思います。

 

<この方法の使い分け>

使われる状態にカットしたナスの、カットされた数が少ない場合は、この方法がベストだと思います。
また、数が多くても、輪切りなどのように並べて塩を振ったり濡れた塩を拭き取ったりする場合なら、この方法も使いやすいです。

 

でも、乱切りにするとか、数が多い場合は、次でご説明する私のやり方のほうが、面倒がなくて良いと思います。

 

状況により使い分けされたら良いと思います。

 

私が実際にやっている方法

プロが実践している上記のやり方を知ったときには、「おぉっ!」と思ったのですが、塩を振ったり拭き取ったりするのが面倒にも思ったので、塩水を使うこととしました。
特に、乱切りの場合は、とても面倒そうです。

 

 

塩水を使う方法は、予想通りうまく行きました。
最近、頻繁にナス料理を作って食べているのですが、いつもこの方法です。

 

 

では、やりかたですが・・・

 

濃い目の塩水を作り、カット済みのナスを、しばらく沈めます。
※いくら濃くしても、塩を直接降るよりは薄い!
※水にナスを入れて塩を入れるのではなく、先に塩水を作ってその中に入れたほうがいい。
水っぽくなりにくい。また、水によるアク抜きと違って、うま味を流れ出させないような気がする。

 

【カットした長ナス】
※この時は、直線での長さ約45㎝の長ナスを使い、
揚げびたし用と、味噌シギ用に長ナスを下ごしらえしました。

 

 

ちなみに当地では、普通のナスでも20㎝くらいありますし、長ナスなら軽く40㎝を超え、下のような感じです。ずっと東日本で暮らしてきた私は、初めて見たときは驚きました。
ちなみに、東日本の普通のナスは当地では、まず見かけることはありません。

 

【当地の普通のナスと長ナス】
※この写真だけ、古いもので、数年前に長さの比較用に撮影したものです。

 

ボールに塩水を入れ、そこにナスを入れて、ざっと塩水が回るように上下を返した後、キッチンペーパーをかぶせておきます。
※空気に触れさせないようにするためと塩水を全体に回らせるためですが、アク抜きにも効果があり、変色しにくくなっているようです。

 

 

【塩水につけたナス】

 

なお、塩を振るのと比べるとかなり時間がかかるので、日の当たらないところに置いておくことをおすすめします。

途中1・2度上下をひっくり返すようにして、全体に塩水が回るようにします。


ナスの果肉の表面が少し縮んだような感じになったら、ザルに移し、自然に水気を切ります。

 

【塩水からあげたナス】

※果肉の表面が縮んでいます。

 

これで準備が終わりで、拭く必要もありません。

 

 

なお、ボールもザルも、ステンレス製品は塩水に弱いので使わないようにしましょう。

 

 

<参考までに> この記事の最初に紹介した【茄子の揚げ浸し】の時使った油は・・・
テフロン加工のフライパンで炒めたのですが、
長さが約45㎝、ボール一杯の長ナス1本で、わずか大さじ1杯です。
大さじ1・2杯の水を加えた油で蒸し焼きにしたのです。
やり方は簡単で・・・
最初に写真のようにフライパンに水とアブラを入れてゆすって加熱します。

 

【フライパンに水とアブラ】

 

すぐ沸騰するので、もう一度鍋をゆすってから、ナスを入れて、炒めます。
鍋返しの要領でアブラ水をなす全体に絡めてから、蓋をして蒸し焼きにします。
途中で、1・2回蓋を取って様子を見ながら、ゆすってアブラ水をナス全体に回します。
水を加えないならアブラ大さじ2・3杯くらいです。これでも普通の野菜炒めと同じくらいのアブラの量で、ナスが吸い込むアブラの量はかなり抑えられるので表面はツヤッツヤです。

 

<注意> 蒸し焼きにするかどうかは別として、水とアブラを使う方法では、アブラの量を極端に抑えられますが、ナスの表面の発色状況はあまりよくありません。
きれいな紺色が出る部分と色あせた部分とが出ます。
状況に応じて、水とアブラを使うか、普通の料理と同じようにアブラだけを使うか、使い分けした方が良いと思います。

 

<私のやり方のメリットとデメリット:フレンチとの比較で>

この方法は面倒な手間がないのがメリットですが、直接塩を振るよりもずっと時間がかかります。 ナスの状態と塩水の濃さにもよりますが、海水程度の濃さで20~30分くらいを見たほうがよさそうです。 急ぐときには、不向きです。

 

その代わり、多少時間が長くても短くても、はっきり言って大差ありません。

 

ナスの果肉部分の表目を見て、少し縮んでいるようなら下ごしらえ完了なので、ザルにあげておきます。

 

時間も塩の濃さも、どちらもかなり適当でOKなのが嬉しい。

 

 

時間はかかりますが、ナスの表面の塩を拭く手間が無いこともいいなと思っていますが、それ以上に塩味がつきにくいので、最近はすべてこの方法を取っています。

 

特にしし唐やピーマンと併せて味噌シギを作るときなど、他の食材と併せて料理をするとき、塩加減の調整がいらないので、重宝しています。

 

【ナスとピーマンの塩麹炒め】

 

ナスにあまり油を吸わせたくないときには、今のところ、ベストでな方法だと思っています。

 

個人的にはとてもお勧めなので、良かったら一度お試しください。

 

 

ちなみに、記事を書く前の3週間ほど、なぜか良いナスが異常に安かったので、毎日1回は油を使ったナス料理を食べてきました。
でも、体重は変わりませんでした。
ご参考までに、お伝えしておきます。

 

 

最後までご覧くださり、ありがとうございます。

 

<追記:実験室>油を多く使えば吸ってしまう?

私はあまり油っぽい料理が続くのは嫌なので、ナスを炒めたりするときにアブラだけでなく水を加えた水油(私独自の呼び方です)で炒めることが多いです。

 

「でも、私のナスの下ごしらえでも、
もし、たっぷりのアブラを使って揚げたなら、
油をたっぷりと吸ってしまうのでは?」
そんな疑問が、胸に引っかかっています。

 

そこで、テフロン加工の深めのフライパンで、
多めのアブラを使って、
ナスがやわやわになるくらいじっくりと炒めてみます。
※油で揚げるのは、どのくらい油を吸い込んだかわかりにくくなるので、量のわかりやすい炒め物に決定です。

 

 

 

20センチ弱の長さのナス2本を揚げ浸し用にカットします。
たてにわったあと2・3分割し、表面に格子状の浅い切れ目を入れます。

 

これを炒めるのですが、
普通なら、油大さじ2杯分くらいなら、あっという間に吸い込んでしまいます。

でも、私のやり方で塩水につけたものは、表面はたっぷりの油でコーティングされつやっつやで、フライパンには油が半分近く残りました。

 

ちなみにその祖気に炒めたナスはかなり油っぽかったので、味付けをしただし汁に生姜と唐辛子を加え一晩味をしみ込ませたのが、次の写真です。

 

 

【多めのアブラでナスの揚げ浸し】

 

 

つまり、私のナスの下ごしらえのやり方なら、
多めのアブラで炒めた場合にアブラが残るのですから、
油で揚げた場合でも多くのアブラを吸い込むことはありません。

 

ただし、多めのアブラを使えば、表面にアブラがたっぷり残るので、炒め物の場合には、注意が必要です。
もし、油っぽく仕上がったなら、仕上げに少しだけ酢を使うとアブラっぽさはやわらぎますよ。
酸っぱさは、火を通すことで抜けてきますし、りんご酢とか酸っぱさの少ない酢を使えば、抑えられます。
 

※酢を使ってアブラっぽさがなくなるのは、化学的にアブラを分解しているわけではありません。
酢がアブラを小さく粉々にするだけです。脂が小さな粒になれば、舌の表面にベターっとまとわりつくのが無くなり、油っぽさを感じなくなるだけです。油はしっかりと残っているので、ご注意ください。

 

(記事はここで終わりです)