オニオンスライスを水にさらさずに素早く作るには・・・
オニオンスライスは、普通、玉ねぎを繊維に沿って薄くスライスし、
10分から15分くらい水にさらして辛味を抜いて、
その後、水気を切って使います。
この方法も悪くはないのですが、
サッと水にさらすだけで辛味を抜く方法があります。
初歩的な、誰でも知っている科学的知識と推論だけで、その方法が理解できます。
理屈は、後で説明しますが、むつかしくはありません。
さらに、やり方は、ホント簡単で、
玉ねぎをスライスするときに、
繊維に沿って切るのではなく、
繊維を断ち切るように直交して、つまり横にスライスするだけです。
これだけで、厚さ2ミリくらいなら、
水の中でさっと(数回)かき混ぜ、水気を切るだけで、
辛味の抜けたオニオンスライスが出来上がります。
更に、
この方法でオニオンスライスを作ると、
噛んだ時に繊維方向に力が加わるので、
サクッと歯切れよく切れます。
だから、サンドイッチや丼ものに使うと、
とても食べやすくなります。
※丼物では、生で、オニオンスライスとして使う場合。
ちなみに加熱する場合、焼き玉ねぎなどの場合を除いて、
私も、大抵は繊維に沿って切ります。
厚めの場合は、フランス(の家庭料理)式で調理することも多いです。
※※フランスでは、まな板はプロが使うものと思われているので、
ほとんどの家庭では、まな板を置いていないそうです。
どうするかと言うと、
皮をむいた玉ねぎを手の中で包丁(ナイフ)を使って切るわけです。
切るものが玉ねぎしかない場合、時々やってますが、
私は手を切ったことはありません。
なぜ、オニオンスライスで、
繊維と直交して切ると、
辛味がすぐに抜けるのでしょうか?
玉ねぎの辛味は、
細胞の中の水分に含まれている硫化アリルと言う物質で、
玉ねぎを切るときに切り方が悪いと、あなたを涙目にさせるアレです。
硫化アリルは、
疲労回復や殺菌作用などいろいろな役に立つ働きがあるのですが、
生で玉ねぎを食べようとするときには、
新玉ねぎの場合を除いて、とても辛く、邪魔な存在です。
※硫化アリルは、新玉ねぎの場合はほとんどなく、時間が経つに従って増える。
だから、水にさらして辛味を抜くのです。
玉ねぎをスライスしたとき、
切断面の細胞は壊れているので、
どの方向で切っても、この部分の辛味は、
水につけるだけで、瞬間的に抜けてしまいます
でも、切断面以外の壊れていない細胞では、
切る方向により、話が違ってきます。
玉ねぎの場合も多くの植物と同じで、
繊維の方向に沿って栄養分や水分が運ばれます。
だから、繊維に沿って切ると、
水につけたときには、玉ねぎのお尻のほうから頭のほうに向かって、
最悪、垂直距離で5センチくらい、
実際にはカーブになっているから、
下手すると8センチくらいの距離を水分が移動しないと、辛味が抜けません。
でも、繊維に直交するように横にスライスすれば、
その厚さの分だけ水分が移動すれば辛味が抜けます。
<具体的に>
2ミリくらいの厚さにスライスした場合は、
端のほうのカーブを描いた部分でも、せいぜい3ミリくらいで、
しかも上下の細胞は壊れているので、
実質1・2ミリくらいの距離を水分が移動すれば、辛味が抜けるわけです。
だから、繊維に直交するようにスライスすれば、
長い時間水にさらす必要がないわけです。
薄ければ軽く水洗いするだけで、
少しくらい厚くても、わずかな時間水にさらすだけで、
辛味が抜けておいしく食べられるのです。
実際、私は昨日の夜には、
食パンにマヨネーズを薄く塗り、
このオニオンスライスと柔らかく作っておいた鶏ハムとを挟んで、
マスタードを振りかけて、
わずか数分でおいしい夜食が出来上がりました。
この時には、
小鉢程度の大きさの3センチくらいの深さの小皿に、
中くらいの玉ねぎ半分のオニオンスライスを作り、
水を入れサッとかき混ぜ、
手ですくい上げてまな板に置くだけの水きりです。
これだけで、十分辛味が抜けました。
玉ねぎも鶏ハムも、サクッと噛みきれ、
満足感、増し増しでした。
この方法なら、オニオンスライスも時間をかけずに気楽にサッと作れるから、
サラダだけでなく、
かつお節としょうゆと合わせて箸休め、
ご飯の上に敷いてその上に生姜焼きや照り焼きを載せて丼ご飯・・・
アイデア・使い方次第で、自由に応用が利きます。
一度試してみてはいかがですか?
★追記★
玉ねぎは収穫後、
かなり時間が経ち、皮が厚くならなければ、
繊維と直交する切り方をすれば、
実は、水にさらす必要も無いくらい辛味が少なくなります。
実際、多くの場合、すぐに生で食べられます。
5ミリ幅くらいに厚く切ったものを
そのままで、一度食べてみてください。
実感できます。
完全に辛味が抜けるわけではありませんが、
わずかに辛味を感じるだけで、
大人ならそのまま生で食べられるますよ。
なお、辛味抜きは、水にさらす方法以外に、
切った玉ねぎを放置する方法もあります。
これは、辛み成分が揮発するからです。
だから、子供向けにするとか、
切ってすぐの辛さで食べられないなら、
10~15分くらい放置できるよう、
早めに準備して(切って)置くのも一つの方法です。
なお、この場合も繊維に沿って切った場合は、
辛味が抜けにくいので注意です。