こんばんは!

トラウマ治療家の
大空 千紘です。


早速ですが、クイズです!


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野生の動物は
[あること]をするので、
怖い体験をしても、
トラウマになりません。

でも、人間や家畜は
トラウマになります。

なぜでしょうか?
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これが答えられたあなた!

多重迷走神経理論の真髄を
理解されている方ですね!

さすがです!


そうでない方へ
ちょっと説明させてください。

前回のメルマガで、
サバンナのシマウマがライオンに
追いかけられる過程を用いて、
多重迷走神経理論を説明しました。

このシマウマで、
再度説明したいと思います。

シマウマが
ライオンに捕まったとき、
第三段階の凍りつき反応が
起こると説明しましたが、
この時、運よく
食べられずに済んだシマウマは
あることをします。


ライオンがシマウマを食べる瞬間、
何等かの邪魔が入った。

「あれっ!意外にまずそうだ」と
思って、気が変わった。

理由は様々ですが・・・
とにかく、ライオンはシマウマを
襲うことを止め、
その場を去ったとします。

すると、
シマウマはあることをします。

それが、凍りつき反応を
解除することになります。


その[あること]とは何でしょうか?



それは・・・



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【回答】

『ふるえる』

です。
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それも尋常じゃないくらいに
震えます。
何か霊でも
憑りついているのでは
ないか、と思うくらいです。

この[震え]によって、
凍りついたとき
封じ込められたエネルギーや
アドレナリンなどの
物質を解放します。




一方、人間はどうでしょうか?

人がショッキングな出来事に
遭遇したとき・・・

例えば、
みんなの前でいじめられた。
暴漢に襲われた。

など、
様々な出来事が考えられますが、
そんな時、人は大体
震えを止めようとします。

寝っ転がって全身震えるなんて
恥ずかしいし、
自分に起こっていることが
受け入れられず怖くなるし、
周囲から震えを止めろと言われる
こともあるかもしれません。


いずれにしても、
人間の文化の中で
寝っ転がって何時間も
震えるなんていうことは
一般的ではないのです。

なので、震えを止めようとします。

すると、
震えを止めるので、
エネルギーやアドレナリンなどは
行き場を失い、
身体にとどまったままになります。

そして、これが
トラウマの原因となるのです。


この現象を端的に示したものが
以下の文章です。


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「トラウマは
出来事そのものではなく、
出来事が引き金となって
生み出されたエネルギーが
身体内部に残っていることで
生じる生理的現象である。」

― ピーター・リヴァイン博士 
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研究の結果、人間だけでなく
人間に飼われている動物も
同じように、震えることは
しないようです。

長年、人間と家族のように
暮らしていると、自分も
人間だと思っているのかも
しれませんね。



次回は、
閉じ込められたエネルギーが
どうしてトラウマになるのか
について説明します。