盆休み。同居している娘らの都合もあって、世間より早めに休みをとって帰省してきた。昨年は骨折騒動で急遽、中止したし、2週間ほど前に93になった父親が入院したと聞いたので、今年はどうしても行きたかった。
ところが出発の前日に、突然の上腹部痛に襲われた。原因はよくわからないが、おそらく感染なのだろう。胃の重さから始まって、食事をすると鋭い胃痛があり、夜になると38℃まで発熱した。下痢も始まっていた。夜明け頃に車で出発する予定だったので、出発できるか不安な夜をあまり眠れずに過ごした。
同じような胃痛は、昨年も1度経験していた。その時は胃重が数日間、長引いたが、今回はすぐに発熱が起こったので、何かの感染だとすると、免疫ができて対応が早くなっているような気がした。そこで自分の免疫力を信じて、ともかく故郷へ出発することにした。朝5時半だった。
食事はできないので絶食のまま車を運転し始めると、なんとかなりそうな気がしてきた。水分と栄養はゼリー状のスポーツ飲料で補いつつ、途中、家族の買い物でアウトレットモールにも付き合い、目的地の温泉宿には午後3時に到着した。定宿の硫黄泉が、こんなにも身体に浸みたことは、かつてない。熱も下がっているのが実感できた。
結局、発熱と胃痛に苦しんだのは約24時間だけで、徐々に消化の良い物から慣らして3日後の昨日までに普通食に戻った。その間、自分の骨折のことなどはすっかり忘れてしまっていた。もちろん杖も家に置いたままだ。往復で1100kmを車で走破してきた。
親戚や病院を回るうちに、世話になった兄嫁の母の仏壇に手を合わせた瞬間があった。その時、背後の兄から「お、座れるじゃん」と言われた。自分でも気づかなかったのだが、骨折後1年で初めて正座をしていた。おそらく長時間は無理だと思うが、短時間であれば正座できるようになっていたのだ。
とんだ腹痛で振り回された帰省だったが、骨折のことを意識せずにいられたのは幸せだったのかもしれない。