当日、まず驚いたのが武道館の周りに居並ぶ人の数です。8/14G1両国大会のときも人の多さに驚きましたが、その比ではないほどに感じました。
武道館に入ってからはぼんやりと会場全体を見渡していたのですが、次々と座席が埋まっていくさまは壮観の一言に尽きます。
試合の方も、プロレスの魅力が存分につまった攻防ばかり。お祭りムードあふれる中にも殺伐とした雰囲気や、次につながりそうな何かも感じられ、心から楽しませてもらいました。
そんな中でも、メインイベントに登場し、「何もそこまで・・・」と思うほどに自分のプロレスを貫き通したKENSO選手には本当に頭が下がります。TOKYO DRIFTが流れる中、赤いロングタイツに不気味な腰巻を携えて入場し、リングのど真ん中に佇む姿から、相変わらずの不思議なオーラと、いくばくかの不安を感じました。案の定と言うべきか、試合は絵に描いたようなKENSO相撲。今大会に出場した82人の選手の中で、悪くも悪くも最もインパクトを与えたのはKENSO選手に違いありません。
KENSO選手のファイトをよく思わない人がいるのもよく分かります。自分もちょっと前までそうでした。しかし、最近はそのような人すらも「実はKENSOの手のひらの上で転がされているにすぎないのではないか」と思えるほどに、どっぷりとKENSOワールドにつかるようになってしまいました。いかなる状況でも、自身のプロレスを全く曲げないKENSO選手を自分は心から尊敬します。

また、第3試合終了後の真壁選手のコメントには非常に感銘を受けました。自身が前半戦にラインナップされたことに容赦なく噛みつき、

「他のヤツらじゃ届かねえんだよ!」

とギラギラした目で語る姿がとても魅力的で、プロレスに誇りを持ち、それを語ることのできる真壁選手から底知れぬかっこよさを感じました。

311日以後、ファンであるはずなのにプロレスに対して弱気になってしまうことも一回や二回ではありませんでした。プロレスというジャンルが娯楽である以上、空腹が満たされるわけでも、生活の負担が改善されるわけでもありません。それでも、先述の真壁選手や、デスマッチリーグで優勝し「俺にはプロレスがあるんです!」と叫んだ佐々木貴選手、G1を優勝し「一番すげぇのは、プロレスなんだよ!」と言い放った中邑真輔選手など、こんな状況であってもプロレスラーとしての誇りと可能性を示してくれる選手の姿を見る度に、「やっぱり自分にはプロレスが無いとダメだ」と思いました。「プロレスラーはプロレスしかできない」ではなく「プロレスを出来るのは、プロレスラーだけ」なのです。
来年2月には仙台での開催が決まりました。まだまだ予断を許さぬ状況ではありますが、どうかプロレスラーの方達にはプロレスの持つ力を信じて、これからも闘ってほしい。
そして、少しでも傷ついている人の元にALL TOGETHERのエネルギーが届いてほしいと願うばかりです。


これは、DX-Rに送らせていただいたメールのほぼ全文になります。

上記文章にもありますが、とにかく人がたくさんいました。自分が2階の上の方の席にいたのですが、武道館の上から下までぎっしりと埋まっていました。
試合への反応も良く、第1試合からメイン終了後まで良い雰囲気で大会を終えることができました。
なんとかこの熱が傷ついた人達の元へ届きますように。








当日は15時前に両国国技館に着いたのですが、例年の如く売店はお客さんでごった返しており、心地よいお祭りムードに浸りながらパンフレットを購入し、席に着きました。
昨年は1階のマス席で観戦していたためヴィジョンを通して見ていたダークマッチでしたが、今年は2階席を取っていたため、関係者立ち入り禁止エリア以外での攻防はほとんどを間近で見ることができました。
試合開始前に変態大社長の二人が早々に入場し、オール片手に「どうしよう澤くん!おしっこしたくなっちゃった!」とのたまい始め、早くも自由なオーラをふりまきつつ開始のゴングを待っていたのですが、なかなか王者チームが出てきません。
自分も辺りを見回していると、2階外の廊下の奥の方で所在なさげにうろうろする黒い羽根の生えたサスケ会長とリッキーさんを見つけてしまい、少し気まずかったです。
試合では『両国国技館全域使用』という言葉に違わぬ暴れっぷりで、サスケ会長が両国のお風呂に浮かびながら「I’m perfect…」とつぶやくシーンが見られなかったのは残念でなりませんが、とても心躍る試合となりました。
その中でも一番のサプライズは国技館地下の焼き鳥工場で鶴見さんがアルバイトしていたことでしょう。国技館の地下に焼き鳥工場があるという都市伝説証明のはるか斜め上を行く事態に驚嘆するとともに「鶴見さんが茅ヶ崎から両国まで通う際の交通費はけっこうバカにならないのではないか?」という余計な心配もしてしまいました。
また、第4試合もケニーやHARASHIMA選手、関本選手のスピード感と高梨選手、ウラノ選手、HERO!選手のプロレスならではのずるさが相まってプロレスの魅力が十二分に詰まった試合だった思います。その中でも今回誕生した新王者チームには見ている方の感慨もひとしおだったのではないでしょうか。昨年の4月のKO-D王座戦では決まらなかった雪崩式タカタニックを決め、昨年の両国で絶対王者として登場しながらも挑戦者に押し負けてしまった関本選手とともに勝ち誇る姿には少しうるっと来ました。
これだけの語りどころのあるカードが並ぶ中でメインを務め上げた石川修司選手、KUDO選手には本当に頭が下がります。試合のゴングが鳴り、二人が向かい合うシーンを見てもKUDO選手が勝つエンディングは想像できなかったのですが、ひざ蹴りに代表される度重なるボディ攻撃、破天荒な大技の数々をしのぎ切って、終盤に目にもとまらぬ速さのラッシュを繰り出したKUDO選手の底力にはプロレスラーとしての怖さと凄みを見ました。
自分はDDTという団体を見始めてから2年くらいとまだまだ日が浅い人間なのですが、KUDO選手のベルト姿を見れば見るほど、KUDOという選手が今まで団体最高峰のベルトを巻いた経験が無いことがにわかには信じられません。
また、この試合を裁ききり、3カウントを入れた直後にその場にへたりこみ、大きく息をついた松井幸則レフェリーの姿がこの試合の激しさを物語っている気がして印象深いです。奇しくもセミファイナルで世界クラスのMMAファイターであるボブ・サップに男色先生が完勝した直後の試合だったこともあり、「プロレスラーはやっぱり強い」とプロレスファンとしての自信を感じることもできました。
他にも、カオスという言葉が生ぬるく感じるほどにいろいろと詰め込まれたアイアンマン戦やMIKAMIPSJの少し切なさがこもった一戦、自分が生まれるより前に行われた飛龍革命の再現が見られたり、DDTマットでIWGP Jr.戦が行われたり、昨年12月の後楽園を超えるダチョウ倶楽部的なグルーブ感を得られた男色先生とサップの異種交配戦など語りたくなる試合ばかりで、改めてDDTの素晴らしさを感じます。
このご時世、毎年、定期的に両国大会を開催できるだけでも凄いことであるはずなのに、さらに日本武道館にまで進出するとは凄すぎます。こんなにもドラマティックな夢に満ちた場所を自分は他に知りません。その心地よさから抜け出すのが何だか惜しい気がして、会場に流れる『大きな玉ねぎの下で』を聞きながら、ぼんやりと余韻に浸っていると会場スタッフの方から「早く出てください」と注意されてしまいました。そんなことすらも夏の良い思い出として感じられる大会でした。



上記の文章は、DX-Rに送らせていただいたメールのほぼ全文になります。

これが自分がDDT両国ピーターパンを観戦して感じたことのほとんどになります。

先ごろ、サムライTVで今大会の完全版が放送されましたが、今見てもメインイベントの石川vsKUDO戦の終盤の攻防には、ゾクッとします。
あそこまで激しく、非情に攻め立てられる石川修司。その攻めをあれだけくらっても壊れなかったKUDO。二人ともプロレスラーとしての強さを存分に見せてくれました。

他の試合も見所・語り所が満載の試合ばかりでした。

来年は、15周年ということで武道館に進出するということですが、ますます夢が膨らみます。





メインイベント ディック東郷国内最終試合

ディック東郷vs外道


とうとうメインイベントです。

東郷vs外道というカードが決まった時から、名勝負への期待感にあふれていたこのカード。結論から言ってしまえば、素晴らしい闘いでした。


2人は、プロレスというジャンルにおいて最もスタンダードな形の闘いを我々に提供してくれました。お互いの必殺技をここぞの場面まで温存し、こつこつとダメージを重ねていく。その攻防の合い間合い間に光る極上の技術。


自分は、この試合を見ていてどちらかを応援する声は出ませんでした。とにかく、出るのはため息。日本が世界に誇るマスター2人の所作へのため息です。

たったひとつのリストロック、たったひとつのヘッドロックからも他のレスラーからは感じられない美しさを感じました。

さらに、2人の持つもともとの技術に加えて、向かい合う二人とそれに関わった人々の20年以上にも及ぶストーリーを重ねて見るために、より意味のあるものに見えました。


二人の極上のやり取りを見ているうちに、『外道が東郷のことをベストと呼ぶ理由』『東郷が外道を心から尊敬する理由』『二人の目指すレスリングの形』などをはっきりと感じることができます。


そして、そんな二人の闘いをリング下でじっと目を見開いて見るアントンや佐々木大輔など愛弟子達の姿、あえて赤コーナーにも青コーナーにもつかず、ニュートラルコーナーでこの闘いを見守った邪道の姿、場外乱闘の際に響き渡る篠さんの声―――


これらの全てに大きな意味があり、あの日あの時間あの場所にいた全ての人や物の中で意味の無いものなどありませんでした。


生涯フリーを貫くと思われたディック東郷の国内最終試合がDDTのロゴが入ったマットの上で行われることにも多大な意味があったように思えます。


試合後に行われた壮行会にも本当にたくさんの人が駆けつけてくれました。薬師寺さんや大鷲関まで来てくれました。そして、錚々たる顔ぶれの最後に出てきたのは、ディック東郷にとって最後のボスとなった高木“大社長”三四郎。この日の試合には出場しなかったものの、あり得ないくらいでかい花束を持って、忙しい社長業の合間をぬってきてくれました。


全てのセレモニーが終わり、最後にディック東郷がコールを受けて、ディック東郷国内引退興業は終わりました。テンカウントはありません。だってこれで終わりじゃないから。


自分は、ここ何ヶ月かをどうにもさびしい気持ちで過ごしていました。時には6・30が永遠に来なければいいのにとさえ思いました。

しかし、ディック東郷がリング上で言った「また皆さんの前に挨拶に帰ってきたいと思います。1年後か1年半後か分かりませんが、必ず無事に帰ってきます。」の言葉になんだかとてつもない安堵を覚えました。

またディック東郷が日本に帰って来てくれる。きっと今と違わぬかっこよさとたまらないオーラを纏って帰って来てくれるでしょう。そのころには僕も少し大人になって、東郷さんの引退と正面から向き合えるようになっていたらいいな。