山の上に大きな岩がありました。
この岩は、いつの日か
遠い向こうにある海に行くことが、
岩の夢でした。
この岩は、とてもおしゃべり。
小鳥や植物、虫たちと、
いつもおしゃべりをして楽しんでいました。
岩は話しの中でも、
自分の夢を語るのが大好きでした。
ある日、その岩の夢を聞いた、
岩の近くを流れる大きな川が、
岩に約束してくれました。
キミの夢を叶えてあげるよ。
どうやって?
あなたを渡しの水の流れで、
海まで運んであげます。
岩はとても喜びました。
さっそく転がり、
大きな川のなかへザバンッと入りました。
岩はとても大きく、
大きな川の流れでも、やっと流れる大きさでした。
大きな川は言います。
あなたのことを思って言うんだけど、
もっと小さくなりなさい。
そうすれば、川に住む他の生き物をつぶさなくてすむよ。
岩はそうだなと思いましたが、
小さくなる方法なんてわかりません。
大きな川さん、どうしたらいい?
私が削ってあげます。
そう言うと、大きな川は強い水の流れで岩の表面を、
少し削り取りました。
岩はさすがだなと関心しました。
しばらくすると、大きな川は岩に言います。
あなたのことを思って言うんだけど、
もっと軽くなりなさい。
そうすれば海に早く着く。
岩は、そうだなと思い、
大きな川に、岩の表面を少し削ってもらいました。
またしばらくすると、大きな川は言います。
あなたのことを思って言うんだけど、
もっと丸くなりなさい。
そうすれば綺麗になる。
岩はそうだなと思い。
大きな川に、岩の表面を少し削ってもらいます。
大きな川からの注文は、まだまだ続きます。
あなたのことを思って言っているのよ。
もっと。もっと。もっと。
ついに長い旅も終わります。
海が近づいてきたのです。
しかし、その頃には、
もう岩はいません。
大きな川の流れによって岩は、
小さな小さな小石になってしまっていました。
もう岩は何も、イワナイ。