杉本崇のやつは関係者に頼んでやっとこチケットを入手したらしい。

いってみるとナイスな席。ゲネで演出家が座るあたり。

舞台版と題したが実はこちらがオリジナル。もともとは1981年に開幕したミュージカル。ダイアナ・ロスとスプリームスをモデルに描かれている。1982年トニー賞受賞。1985年8月11日に閉幕。




以下ネタバレ&個人的な感想

今回は厳密にはオリジナルヴァージョンではなく映画用の楽曲も加えたリニューアルヴァージョン。


大道具はLEDの映像パネルのみで舞台効果をなす。

もちろんそれのみでの転換。だから暗転が長いとか緞帳降ろしての前芝居などがなくてスッキリしている。

その反面立体感に欠けてライブの物語としてチャチにみえる。

仕込バラは楽だろうな。



照明は”steping to the bad side”は凝っていたがあとは適当感満載。


映画ではオスカーをとってビヨンセを喰ったといわれるジェニファー・ハドソンが演じたエフィーをモヤ・アンジェラが演じると思いきや今日はアンダースタディーのPATRACE COVINGTON。(なんて発音するかわからん)

あららアンダーかよ、と思っていたんだがかえって喉のコンディションがよいのか素晴らしい歌唱力だった

ジミー役のチェスター・グレゴリーもgood job。

映画ではエディー・マーフィーがジミー役を演じたが彼より動けるというか踊りはたいしたことないがヒョウキンな動きのネタを持っている。

歌唱力はカンパニー1かも。彼の日本語ネタはシラけたが。

実は杉本の知り合いの知り合いとか言っておったが・・・知り合いの知り合いってようは他人だろ?


CC役もgood。


アンサンブルダンサーは立っているだけだと格好いいがテクニック系や跳んだりすると動きが重くて見てられない。

エフィー以外の女性シンガーもSOULなのにソウルを感じない。

全体的に雑。音響のせいか??疲れているのか??


その音響ははっきり言って好みではない。万人向けにしているのかR&BやSOULにはあわない腰砕けのパンチのまったく効いていないミキシング。

ようは音量が足りなすぎる。

杉本は聞き入りたいナンバーの時は両耳に手を当てて聞こえる音を大きくして聞いていた。


ジミー&エフィー以外のファルセットは弱々しくて興冷め。

この席でこんな音響かよと思った。


話はよくあるバックステージもので目新しくはない。また突然歌いだすっていうのは古いミュージカルの特徴だが映画より違和感が少なくてマシ。


観客はおとなしすぎ。まぁ行儀良く見るってのも美徳だが・・・一部、外人客がヒューヒューと無駄なところでも騒ぎながら見てたので客席全体がヒイテいたのかも。


でもそれらを鑑みても楽しめた。


映画版から引っ張ってきたナンバー”listen”では号泣。

まさかこういう演出でくるとは!

ヒューマニズムだったのう。




なんか提灯記事では日本人では100年経っても追いつけないって書いていたが記者はいままでどんな舞台見たんだ??とか思ってしまった。

やっぱ外人信仰なのかなー。




以下劇評記事より


ミュージカル『ドリームガールズ』、超弩級の来日公演


(c)宮川舞子 Miyagawa Maiko

【PJニュース 2010年5月31日】東京渋谷のBunkamuraオーチャードホールで上演中の『ドリームガールズ』は、躍動感あふれた近年屈指の来日公演ミュージカルである。

ビヨンセ主演で話題になった2006年の同名映画(配給ドリームワークス/パラマウント)は、ジェニファー・ハドソンのいきなりのアカデミー賞助演女優賞獲得でも記憶に新しい佳品。オリジナルは、『コーラスライン』で名高いマイケル・ベネットが遺した大事な遺産ともいうべき作品で、ブロードウェイでは1981年クリスマスシーズン初演、翌年のトニー賞6部門で栄誉を得ている。

このたびの来日公演は、オリジナル版のリバイバルではなく、映画版用に新たに作曲された楽曲も加えたリニューアルヴァージョン。LEDで埋め尽くされた可動式パネルを効果的に使って舞台に奥行きと多面性を持たせ、巧みに客席との一体感も産み出すスタイリッシュな構成で、出演者全員の切れのよいダンスと圧倒感に満ちあふれた歌唱力を心行くまで堪能させてくれる。

特筆すべきは、物語の中軸を担うエフィーを演じるモヤ・アンジェラの表現力の豊かな歌唱力。激しく心を揺さぶられ、同時にうっとりと聴き惚れ陶然とする。1幕目の掉尾を飾る「And I Am Telling You I'm Not Going」はミュージカル女優としての実力をいかんなく発揮した忘れ難い名シーンとなっている。そのスケールの大きさ余りに素晴らしく、2000人を超える客席は固唾をのんで歌唱の進みゆきを丸ごと受けとめ、 歌いきった瞬間、惜しみない万雷の拍手喝采を贈ったことだった。

短距離トラックをいとも鮮やかに世界記録で駆け抜けるウサイン・ボルトを唖然として見るごとく、100年経っても日本人は彼らに追いつくことはできないな、と慨嘆しないではいられないほどのグレードの高さである。ジミー役のチェスター・グレゴリーも然り。映画のエディー・マーフィーを超えるエンターテナーぶりで客席を大いに湧かせ強烈な印象を残す。その他、出演者すべてが粒揃いで、2時間半の上演時間があっという間に過ぎて、ブロードウェイさながらの気分でミュージカル本来の魅力を深いところで味合わせてくれる。

東京公演は、6月5日まで。昨年11月にニューヨーク、アポロシアターで開幕し全米ツアーの途中で組み込まれた今回の来日公演は、この後再び本国のツアーに戻って、ブロードウェイでの上演は来シーズンとのこと。チケットは連日立ち見も出るほどの盛況で良席の入手は困難だが、若干の当日券が上演1時間前から販売されている。ここ数年、数多くのミュージカル来日公演が行われているが、群を抜く完成度。ミュージカル愛好者必見の公演である。【了】

PJ: 石川 雅之
http://www.pjnews.net/news/792/20100531_4