お伊勢参りせずに死ねるか! 東海道~伊勢路 徒歩日記
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09月07日
電車一本乗り遅れて手痛い時間ロス。
静岡県は袋井駅からスタート。


昼前に磐田着。
磐田宿はいいところだけれど、案内所やりすごす。
遅れもあってか、気分が乗ってこない日。


天気予報外れ!雨曇り予想どこ吹く風、ガリガリ君デーの暑い日。
まだ蝉が元気に鳴いている。



天竜川を渡って、金原明善記念館で休憩。
暴れ天竜の治水工事に一生を費やした人。すばらしい。


やっと浜松駅に着く。
帰りの新幹線のチケットを浜松駅で買おうと整理券をとって待っていると、
なかなか呼ばれない。遅い!イライラしてしまう

なんとなくかみ合わない日。

この日はスケジュールも押し気味で予定通りに事が進まない。
こういうときこそ、無事に歩き旅ができている事に感謝しようと切り替える。


あたりはすっかり暗くなって、家々から晩ご飯の支度のにおい。
家庭の温かさが恋しいな。

舞阪の自慢の松並木もこう暗くてはよくわからない。残念。
ということでこの日は写真もあまり撮らず。



目的地の弁天島付近を歩いていると、波が荒れている。夜の荒れた海は怖い。
自然の恐怖はこうして時々触れることが大事だと思う。

19時過ぎに弁天島着 歩行距離 36km



明け方、雷鳴で目が覚める。記憶にないくらい。天気は荒れ荒れ。
雨が弱まったのを見計らって出発。


新居宿あたりから日がでてきた。

歩きながら前日に寄った金原明善の事を考える。


お伊勢参りせずに死ねるか! 東海道~伊勢路 徒歩日記

金原明善は、全財産を賭けて度重なる災害をもたらす天竜川を恵みの川に変えた偉人。

心に刺さったのは天竜川が暴れる原因が山にあると突き止めたところから。
上流の山々に木がなければ、雨水が一気に川に流れ出ててしまう。
植林が最も効果があるが、30年はかかる。この頃明善は既に50代半ば。


今から間に合うわけないだろうと周りの人たちに笑われながら、
意思を貫いて苗木から植林事業をはじめる。

ついには立派な山林ができ、木々が雨水を受け止め、天竜川も穏やかになった。
90歳を超えた明善は、自分が作り上げた林を見に行きやがて合掌する。

この人は地元の人が本当に豊かになることを祈って人生を賭けた。心動かされる人生。


自分たちはこのような国の礎を作りあげた人達の上でありがたく恵みを受けている。
日本人は自然を利用して共生していくのが上手いと思う。


白須賀宿につくと、写真を撮るのが憚れる雰囲気の神社があった。
後で調べてみると、そこは全国に点在する神明神社の一つで、総本山は伊勢。
やっぱり!と合点がいった。

坂の上、潮見坂から見える遠州灘は今回の数少ない絶景ポイント。少し癒される。


お伊勢参りせずに死ねるか! 東海道~伊勢路 徒歩日記



さて、ここで歩き親しんだ東海道ともお別れ。
東海道は天下の街道だけれど、いい田舎道もいっぱいある。
小林はそんな景色が体に染み込んでくるような道を愛しています。


花に嵐のたとえもあるぞ さよなら東海道。


ここから三重県は鳥羽の対岸、伊良湖岬目指す。
愛知県に入って県道42号線をひたすら歩く。


秋葉山の常夜灯が嬉しいけれど、未知の領域で少し心配。
思考が飲み物と食事の確保に支配される。

田畑が続く道で作物の直売所はたくさんあって、いいのだけれど
一般的な小売店が皆無。

こいうときに歩き旅の辛さを痛感する。
車の依存が強ければ強い地域ほど、歩きづらいのだ。


やっと民家が出てくる。うっすら聞こえてくるピアノを練習する音に
なぜかほっと安心。そろそろ休める店が出てくるかな。


…相変わらずの何もない農道が延々と続き不安が強まる。
坂を超えるたびに、開けた街が出てくるんじゃないかと期待してしまう。
杉みき子の大好きな短編、「あの坂をのぼれば」を思い出す。


お伊勢参りせずに死ねるか! 東海道~伊勢路 徒歩日記


街は出てこなかったけれど突然出てきた場違いな建物に唖然。
日本山妙法寺だそうな。


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ルートを確かめて方向転換。
23国道に切り替えて、再度42号線に戻る。
途中で大きめのスーパーに発見、猫まっしぐら。お昼休みをとる。


再開するとまた何もない道路が続き、小雨が降ってくる。
誰もいない、何もない田舎道で一人傘をさす。なんだか滑稽な感じ。


ヤギと遭遇した後、線路と寄りそうようにあるく。
15時30分目的地の豊島着。お疲れ様でした。


次回、岬からフェリーに乗れば、伊勢は目と鼻の先

*********レコード(13.8.23/24)*********
あたま:手拭        
あし :モントレイル FAIRHAVEN
せなか:オスプレー ストラトス24

ガリガリくん:1本

歩行距離:72.80km
合計距離:338.42km(東京~愛知(豊橋))
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8月23日 9時30分 静岡駅着 
いつものように日焼け止めを塗って出発。
(これが大事なんです)


静岡駅前は東西に長ーい商店街が続いていて
当時の状況が伺える街並み。

安倍川を超えて徐々に田舎道へ入る。
この日もまた峠越えがある日。


本格的に峠に入る前に丁子屋で早めに昼食
とろろ汁が名物のお店。添えてある田丸屋のわさび塩が美味しい。

お伊勢参りせずに死ねるか! 東海道~伊勢路 徒歩日記



腹ごしらえをして宇津ノ谷峠の峠超え。峠に入る前にトンネル…
実は歩き旅でもっとも難易度高いのはトンネルです。

トンンルはそもそも道自体が狭い。

歩行者に向けてほとんど配慮がされてないのが現実。
車道と歩道を分けるところがないといつ車に轢かれても
おかしくない。今回のトンネルもそのパターン。
祈るような思いで一気に駆け抜ける。

お伊勢参りせずに死ねるか! 東海道~伊勢路 徒歩日記



トンネルを出るとまた自然豊かな風景になる。
手付かずの自然の中を歩いていると、人類は絶対に絶対に
自然にかてない事を思い知る。
人が作ったものはたやすく自然の中に覆われていく。
自然の一部分に組み込まれているだけなんだな。


13時30分 岡部宿着 見覚えのある風景。
「かしばや」で休憩。無料で冷たいお茶が頂ける!
で、やっぱりかき氷。体温を下げることが身についてきた。

お店の人と話していると言葉遣いがちょっと違う。これはきっと遠州弁。


この日は曇り空と適度な風があって歩きやすい日。
右足小指に違和感を感じる。。。

松並木多い地域を歩いているとだんだん眠気がもたげる。昼寝したい。
ひたすら目的地目指して黙々と歩いていると、記憶があいまいになる。
眠気もあって、このあたりの道はきっとあまり覚えていないと思う。


眠くはあっても足の指は悲鳴をあげていた。
久々に痛みこらえながらの歩きで目的地につくまでの5km弱はちょっときつかった。


17時30分 宿着。島田宿は前回の印象と違う。
前回来たときは寂しい印象だったけれど思ったよりにぎやかな町。
宿についてすぐお風呂に入って汗を流す。

風呂上りの夜風はなんでこんなに気持ちが良いんだろう。
小指のマメつぶす。



8月24日 08時30分 島田の宿から
朝から雨が降っていて、なかなかタイミングが合わず。
雨が多少弱くなったところで出発。
雨に中歩くのは久しぶり。

昨日道中で会った自転車で旅していた韓国人の青年は無事だろうか?


こういう雨の日は森林に入ってしまいたい。
世の中そう都合良くないもので、たちはだかるは大井川。
川幅の広い川に長ーい橋が架けてあり、案内をみると橋の長さ1026m。
傘をさしつつ、およそ15分かけて橋を渡る。

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10時 金谷の石畳到着。
念願の林道。小雨くらいならどーってことない。

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雨のせいか何匹かのカエルが横切る。

石畳を登りきるとそこはお茶畑in静岡。

お茶畑の中を歩いて玖延寺を目指す。ここは夜泣き石で有名な寺
同じ方面を歩いていた松本さんしばらく同行。一期一会。

このあたりの見渡す限りの斜面は茶畑でちょっと写真では伝わらない。

お伊勢参りせずに死ねるか! 東海道~伊勢路 徒歩日記


そして小動物がいっぱい。

赤トンボ トカゲ
カエル 大きなミミズ
童心に帰る。


しばらくはそんな茶畑の中歩くと急な下り坂で降りると
日坂宿に入る。開放された家屋で休憩。

おなかが減ってきたのでパン屋さんで調達。食べながら歩く。
パンてこんなに美味しかったっけ?と思うほどおいしい。


掛川の道の駅看板見てテンション上がる。

多分、前回もここ見つけて安堵したと思う。
周りに何もないところに突然立派な休憩場所が出てくるので
言うまでもなく休憩。ゆっくりお昼ご飯。


そんな何もないような道で1万円ひろう。
びしょ濡れなのでしばらくここに落ちていたのだと思う。
届け出ようにもそもそも家がない(笑)

財布なら警察に届けようという気持ちになるけれど。
みなさんならどうします?


ぼんやり歩いていると、ふと仕事のことを考え憂鬱になる。
色々な意味でいかん(笑)


掛川駅付近で掛川城を横にみつつ、目的地の袋井へ向う。
このあたりも松並木が多く、東海道を歩いている気持ちになる。


16時20分 袋井着
雨が降ったり止んだりの日

帰りの電車を待つ間、パン屋さんのパンを食べる。
コンビニのパンも悪くないけど、遠く及ばない。
やっぱりパン屋さんのパンにはかなわないね
岡田製パンおすすめ!

帰りの車中、雨上がりの夕空にきれいな虹が見えたのでした。
今回の良い景色は行き帰りの電車内ばかり…

*********レコード(13.8.23/24)*********
あたま:手拭        
あし :モントレイル FAIRHAVEN
せなか:オスプレー ストラトス24

ガリガリくん:1本

歩行距離:66.75km
合計距離:265.62km(東京~静岡(袋井))
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8月17日 曇り 三島から再開

今回から新しいシューズで歩く。なかなか調子良い。
初めて買ったトレイルシューズを思い出すな。
純正のインソールはちょっと柔らかいかな。これからたくさんお世話になる
モントレイルのシューズです。


沼津を目指して歩いていると世界遺産のあいつが見える!
でもまだうっすらとしか見えない。今日は富士山ベイビーを見ながらのコース。


沼津の交差点で信号が点滅しはじめていたので急いで小走りすると、
iPhoneが落ちてしまった。あわててとりに戻る。
横断はあきらめて信号を待つ間、位置を確認してみると
ちょうど曲がるポイントだった。iPhoneに曲がるところを教えてもらったのでした。


空を見上げると雲の形は既に秋の感じが出ていて暦上は秋なんだなぁ

と想いふける。そして東海道の旧道から千本街道、さらに海側へ向かうと駿河湾に出る。

絶景なり。

やっぱり駿河湾はいつみてもきれいな湾曲で自然の美しさを感じられる。
あとはもう少し富士山が見えてくれればな。この日は霞がかってよく見えない。

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休憩を挟んで潤川付近の側溝でアメンボ発見。しかもたくさん。
もうなかなか見ることのない昆虫。昔はよく見たんだけどね。
明らかに昆虫は減っているな。


同じように地方に行くとよく見るダイドーの自販機。これ、わかる人はわかると
思うけれど、山中とかで突然出てくるのは大抵ダイドーの自販機。
なんどお世話になったことか。今回も重宝しました。


さて、歩き旅をする人にとって休みやすいところで意外な場所がひとつあります。
それはコインランドリー。空調があって、座れるというのが大きなポイント。
客ではないので本当はいけないのだけれど、こういう場所がなかなかないんです。
(長旅のときはもちろん洗濯で使います!)


16時40分 富士川に到着。
足を浸すとさすがに雪解け水。冷たさに思わず声をあげる。
富士までいったん戻って投宿。
ごはんを食べに旅館から出ると綺麗な夕焼け。
いつも思うけれど旅先でみる夕焼けはなぜこんなに心が動かされるのだろう。
夜風が気持ち良い。


8月18日 晴れ 富士川駅から
暑くなりそうな日。

懐かしい蒲原宿。覚えている街並みがいくつもある。
由井宿に着く。ここは景観をちゃんと保存している良い町です。

由井正雪の子孫が営んでいる染物屋に入る。ここも7年前にお邪魔したところ。
江戸時代から続くお店でお店の人とちょっとおしゃべり。

歩くときにいつも頭に巻いている手ぬぐいはここで買ったもの。
今回もひとつ買ってお店をあとにする。


歩きながらこの町で暮らす自分を想像してみる。
だけども、うまくイメージできなかった。このあたりでよく見る連子格子の
家は美しくて憧れなんだけどな。


いよいよ、薩た峠に入る。ここが今回のハイライト。
箱根峠ほどではないけれど、やっぱりアップダウンはきつい。
この日もガリガリ君を袋からあけてすぐに溶け出す暑さ。


汗にまみれながら峠を登っていく。
ミカン畑越しに見えるする景色は見事としか言えない。

やっぱり残念なのは雲隠れした富士山。地元の人も言っていたけれど
この夏の時期は霞でどうしても見えないとのこと。
もう少し涼しくなってからがが良いです。

お伊勢参りせずに死ねるか! 東海道~伊勢路 徒歩日記


ここが半ば隠れ名所になってしまっている理由は簡単で、高速道路で
適当な降り口がなく飛ばされているところは人がどうしても来難い。
これは薩た峠に限った話ではなく、街道を歩いているとこういう場所は
いくつも見てきた。

家や道は時間がたてば変わってしまうけれど、見る者の心を打つ富士山や

駿河湾は簡単には変わらない。そういった心も昔から変わらないのだと思いたい。

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11時 興津宿着
アプリの調子が悪く、現在位置を見失う。峠に入って電波が届きづらい
ところにしばらくいたせいだと思う。


興津の坐漁荘というところで休憩。ここは西園寺公望の別荘だったところ。
ボランティアのガイドさんと話し込んで思わず長居してしまった。
テラスで食べるアイスがおいしかったな。



お偉いさんが別荘地に選ぶだけあって風通しがとてもいいところ。
エアコンがついてなくても、浜風でじゅうぶん凌げてしまう家だった。


興津宿を出て、清水でお昼を食べる。駅前の目抜き通りなのにちょっと寂しい。
夏休みなのにな。


コインランドリーが休みやすいと書いたけれど、ミニストップを見ると、
ついつい入る習性がついてしまった。ここはもう間違いないところで
現代のお茶屋さんと呼べるところではなかろーか。
コンビニ+イートイン。この組み合わせはちょっと休みたい旅人にとっては
最高の環境なのです。


16時50分 静岡着

この日も暑かった。

*********レコード(13.8.17/18)*********
あたま:手拭        
あし :モントレイル FAIRHAVEN
せなか:オスプレー ストラトス24

ガリガリくん:2本

歩行距離:64.47km
合計距離:198.87km(東京~静岡)
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