おはよう。鳥の鳴き声すら聞こえない静かな朝です。猫の寝息の隣でこれを書いている。一足早く来た台風のような一週間が終わりました。

先週、バンドマン2人と久しぶりに居酒屋に行く所から一週間が始まったような気がする。居酒屋に入る習慣がないのでお店の良し悪しが分からず、後ろをついて行く。初めに入ったお店では、入るや否やスタッフに「シフトに2人しかいなくて時間かかりますよ汗」と困り顔で面白い言葉を頂き、嬉しくなる。文末の汗がとてもリアルだ。彼の心中を察し、素敵な言葉を頂いた事もあり、お店を変える。長方形のテーブルにビールとジンジャーエールと食事が運ばれては消え、運ばれては消え、夜は更けてゆく。

11日、アルバムを作るような作業とは違う意味合いのレコーディングをする。新たな発見を求め、口のチャックを閉めて行く。レコーディングスタジオに行くと、大体のレコーディングスタジオには飴が置いてある。今回は懐かしいイチゴミルク飴やキャラメルなどが混ざっていてとても気分を良くする。のど飴ばかりのスタジオはきっと音も悪い。この日の夜にはGOOD ON THE REELのレコ発イベントが行われていた。少し前にイベント出演オファーを頂いたが、レコーディングのためお断りしなければならなかったのが残念だ。レコ発おめでとう。あの、ハート型のチョコレートの歌をバレンタインデー近くのこの日に歌っていたとしたら、やはり少しくらい下心はあかったのかを次に会った時に問い正してみようと思う。もし無かったと答えたら、嘘つきと呼ぼうと思う。レコーディングは無事に終える。

13日、名古屋。OLDCODEXのツアーに参加。名古屋のオーディエンスの温度感に心を奪われる。寒い日にミネストローネが出てくるような、そんな気分。ダイナマイトで爆破されたビルのような演奏になってしまったのが残念だったが、来月はトランプタワーを作ってみようと思う。楽しみだ。3/17名古屋ell.FITSALL。

14日。早朝に名古屋から東京に戻り、少し眠った後に日本工学院八王子ミュージックキャンパスへ。翌日に控えた工学院ライブのゲネプロの日。ゲネプロは、ナベプロや太田プロと同ラインの言葉ではない。ライブ本番通りに進行して音響や照明の最終打ち合わせをしたりするもの。正式にはドイツ語でゲネラールプローべと言うらしい。今日のライブ、音も照明もバッチリだったけど細かい所までゲネプロで詰めたの?が正しい使い方なので、使ってみたい方はどこかのバンドマンに言ってみると良い。ただ、嫌われる。学生さんたちの腕のよさに驚く。ゲネプロが終わる頃、東京にも大雪が降ってくる。この冬、初めて積もる。深夜、窓から外を覗いてみるとキタキツネが出て来そうな程の真っ白な世界に見惚れる。

15日。工学院ライブ当日。サーカス×サーカス=サーカスと名付けられた日、雪だるまやピエロで飾られたホール。空き時間に校内をウロウロしてみるも、あまりの広さにオロオロする。マクドナルドまである。店の外では見慣れたあの制服の女性が清掃作業をしている。そのギャップにドキドキする。しかしこの広さは、東京ドーム何個分というキャッチフレーズがよく似合う。オープニングが工学院学生のピアスというバンドさん。バンド名に違わず、口元に大きなピアスが4、5個ついていて横目で観察する。聞いてみたい事は沢山あったが、聞けなかったのが残念だ。グラスを口に付ける時、音が鳴ってうるさくないのか、や、金属アレルギーの女の子とはキス出来ないのか、など、まだまだ沢山ある。僕は怖くて耳にも開けたことないのに、すごいなと思う。Mなのだろうか。ライブはさすがこれを専門に勉強している学生さんだけあって何も不自由する事なく終える。学生の皆さん、遊びに来てくれた皆さん、ありがとうございました。僕はピエロになれましたか?

実はこの日、とてつもなく体調が悪かった。何事もなかったように一日を終わらせ、家に帰り体温計を計ると38.5°ある。寒気に震えながら寝るも、何度も悪夢にうなされる。Good evening DEVIL、こんな事は久しぶりだった。翌朝、39.8°、昨日とは別世界の重力感。ドクターに診てもらいに行く。どこの誰経由なのか、インフルエンザ。2日後には高崎ライブがある。果物ゼリーばかりを食べる。

昨日、高崎。OLDCODEXのツアーに参加。体調はギリギリ回復。日頃の行いの良さがこういう所に出るんだろう。薬のせいかロレツがうまく回らない現象に陥るも、ライブは無事に終える。初めての高崎でした。ありがとう。その暖かさが最高の薬になりました。


エバタヒロカズ