こんにちは。
昨年、突然僕の中でロシア文学の波が来て
読んだ本の3分の1がロシア文学でした。
そして小説のNo.1は
ドストエフスキー『カラマーゾフの兄弟』だと思っていましたが、それを超える作品に出会ってしまいました。
トルストイ『アンナカレーニナ』です。
実は最終巻を読み終えたところで、期待値があまりに上がっていたので、相当のうねり、心のウェーブが来る!と思っていた程ではありませんでしたが、それでもドストエフスキーを超えた作家が居たとは、、、。そんな震えはありました。
ただこの作品、『戦争と平和』を読んで、かなりびっくりして、この作家の偉大さ、表現の巧みさ、ことばのちからは驚嘆に値するものだと感じ、ならばトルストイの最高傑作は如何に!と辿り着いた作品。
昔、この作品名は知っていました。
上流貴婦人の不倫物語。
そう言ってしまえば読む気がする訳はない。
上流?貴婦人?恋愛?
少なくとも僕が気になるカケラすらない、そんな印象から読んでいませんでした。
しかし、『戦争と平和』を読んでからトルストイと言う作家の心理描写、状況解説、物語の空気感の描き方はまさにリアル。どのシーンでも、(そうそう、こんな時、こうだよね!)と思ってしまう。そして、それを読む事で(なるほど、そうだったんだなぁ)と思える。
つまり、人間が生きていく上で感じる何か、特に不条理なものに関して、例えば日常、社会、仕事、恋愛、結婚、愛、仕事、信仰、、、誰もが、どこの国の人でも生きていれば悩んでしまう事柄に考えさせられる事が書かれてある。
そうなんです。
つまりはある意味、トルストイは宗教を超えた生きるバイブル、なのかも知れない。
かなり大きく書きましたが、そんな感じです。
読んでいて、ふと日本文学にも近い、同じ匂いがする気もしないでもない、、、
あ、わかった。
志賀直哉を筆頭とする白樺派は近いかも、と思って調べたらやはり白樺派はトルストイの影響を多く受けていました。
やはり、小説の神様は最高峰を知っていたんだ。
そう思いました。
トルストイ、まだ読んでいない方はおすすめします。