チャーリーワッツ4 名演 | mizuochi understanding

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ロックンロールバンドのブログです。

こんにちは。


チャーリーワッツのお別れから書いていますが


彼のドラムから得た影響は大きく


ドラマーではない自分が、


もとい、元ドラマーであったからこそ


バンドにおけるドラムの役割と重要性、


そしてドラムだけは人が叩かないと味がしない


意味がない、テクノロジーが追いつけない


そんなポジションである事を理解しました。


今回からはそれを実証する


彼の名演を何曲か紹介したいと思います。


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・Jumpin'Jack Flash


まずはどの曲をさておき、これでしょう。

あまりに有名過ぎますが、この曲のチャーリーのドラムは(らしさ)においてはNo.1だと思っています。



上記のビデオではチャーリーが右手にマラカスを握りながらスティックも持っていますが、レコーディングではマラカスはミックとなっています。

そんな事は問題ない、要はこの曲の8ビートを刻んでいる右手のハイハットは、なんと全拍叩かれています。つまりチャーリー独自のスネアを叩く時にハイハットを叩かないはやっていません。

しかし、それも大した問題ではない。この曲をチャーリーの名演として最初に紹介した理由はこの右手にあります。


ギターのリフから始まりスネア3発でリズムが始まるこの曲、1番、2番を終えて3番に入り、間奏、エンディングでフェードアウトのスネアミスショットに至るまで、フィルインなし、それどころかシンバルもなし!とにかくひたすら、徹底したリズムキープのみです。


これほど有名なロックの曲でフィルインなし、シンバルなしの曲が他にあるでしょうか。もしあったとしても、この曲ほどの完成度は絶対ないと思います。

何もしていないリズムキープのドラムがなぜ良いか。

ただのシンプルや手抜き、そんなものでは全くない。チャーリーはこの曲のレコーディングで、この曲が最も良くなるアレンジを考えて叩いたと僕は思っています。


ジャンピンジャックフラッシュはご存知の様に世界的に有名なギターリフが柱となった名曲です。ギターを弾く人なら一度はこのリフを弾いたと思いますが、このリフを活かすにはと考えた答えだと思います。

さらにはこの単純な8ビート、単純には行かないノリがあります。

右手の使い方、拍によって無意識のうちに付いている強弱。そしてスティックのティアドロップ型の先端の響き。ハイハットに当たる角度が微妙に違う事から醸し出す音。これらが重なって揺らぎのあるグルーヴかつ、スピード感が実現されています。


時々スネアの叩く位置が変って音が違ったりしますが、これぐらい何でしょう、全体を流れるリズムと雰囲気からすればミスなんて言える訳がありません。もしまだチャーリーが生きていて、あれはミスかと聞いたりしたら絶対機嫌を悪くして話してくれなくなるか、殴られます。ミックジャガーが殴られた様に。(笑)



僕は最初、バンドでドラムを叩いていました。

いつもカッコ良くドラムを叩きたいと思っていました。カッコ良いドラムはオカズ、所謂フィルインだと思っていた事を木っ端微塵に砕かれた様でした。

ドラムは余計な事はいらない。

その曲が一番良くなる様に叩けばよい。

僕は自分のドラムが下手な事を棚に上げて、チャーリーに勇気を貰いました。


気が付けば長い文章になってしまいました。

まだまだチャーリーの名演については沢山紹介したい曲がありますが、また次回に書きたいと思います。