カバーナンバーの紹介、10回目。
ビートルズまで出したら
こっちを出さない訳にはいかない。
The RollingStones
『Going to a Go Go』
ストーンズはスタートからR&Bバンドとしてキャリアを考えればブルースやカバーナンバーが多いのは当たり前かも知れませんが、その曲は150を超えています。
チャックベリーのロックンロールからボ ディドリーのブルース、R&Bからアトランティックソウルまで幅広くカバーしている中、ベストはどれかと討議しだすとキリがありませんが、ブルースナンバーなんかはやはりミックジャガー本人の好きさ加減が溢れています。
ただ、この曲に関しては本人の好き嫌いは別にして演奏がハマっています。
一部評論家の間ではミックのボーカルが上手くないだとか言う意見もある中、この曲の様に横揺れのリズムに乗ったリフレインは抜群の力量を発揮しています。オリジナルの『ひとりぼっちの世界』などで既に身体に染み込んでいるかの様にスタイルを確立しています。
さらにブラックミュージック好きによく見られるいわゆる自分に酔った陶酔感もなく、得てして単調なリズムになりがちなところもない、こんなノリ方はミックの真骨頂ではないかと思います。
オリジナルのスモーキーロビンソンがこれまたボーカルレベルの高い方だけに、それを超えるには別のアプローチが必要ですが、ミックはそんな事はお構いなしにのびのびと歌っています。
最初は白人の小生意気なガキがブルースなんか歌えるのかとブラックミュージシャンに思われていたらしいですが、長くやる事だけでなく、そのリスペクトが通じて多くの交流が生まれ、やがて彼ら独自の世界を世界に認めさせたと言う点では最も評価されて然るべきミュージシャンではないかと僕は思っています。
やはりローリングストーンズは他のバンドとは別の意味で高いところにたどり着いたバンドではないかと僕は思います。