はだしのゲン | mizuochi understanding

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ロックンロールバンドのブログです。

こんにちは。

今日から仕事されている方も多いと思いますが

みなさん、お盆休みはゆっくりされましたでしょうか。

僕は休みの初日に不注意から怪我をしてしまい、ずっと寝ていました。

休みの日に、ここまで寝て過ごしたのは人生初です。

とにかく少々のことがあっても、時間の許す限り何かをしている、
どこかへ出掛けているのが常ですから、今回みたいな休みは初めてです。

まぁ、身体が痛くて動けないのでどうしようもなかったのですが、
連日高校野球を朝から観て、夜は阪神の試合を観て野球三昧、、、、。

せめてとばかり録り溜めた映画を毎日観る事にしました。

終戦記念日もあって戦争関連の映画も多くやっていた中、
『はだしのゲン』の映画が実写版3本、アニメ2本と一挙放送し録画していました。





『はだしのゲン』は1973年、作者の中沢啓治さんの原爆体験を元に書かれた
自伝的漫画で、当時少年ジャンプに連載されていました。
僕は最初にジャンプでこの漫画を読み、あまりの強烈さに読み続けられませんでしたが、
しばらくすると漫画を買ってくれた事がなかった父が、これを読めと全巻買って来ました。
読み続けるうちに、他の漫画とは違った異常な程のエネルギーが満ち溢れ、
読む方もエネルギーがなければ読み続けられない、そんな圧倒的な漫画でした。
やがて、我が家の『はだしのゲン』は家に遊びに来た友人や近所の子ども、
学校の先生などはしばらく借りると言ってクラスに持ち込み、
学級図書となって多くの人が読む様になりました。
(当時、我が家から本やレコードなど、なぜかよく学校に貸し出していた中のひとつです。)

そんな『はだしのゲン』の映画があるのは知っていましたが、
散々読み耽った僕は映画までは観ていません。

今回が良い機会だと立て続けに観ました。

実写版は3部あるのですが、1作目は非常に原作にも忠実に、
映画としてもよく仕上がっていました。
原爆投下前のゲンの家庭が戦争に反対する非国民と近所の嫌がらせを受けたり、
終始描かれる食料難の様子、戦時における民衆の状態、原爆投下後の広島の様子、
地獄の様な中で生きようとする人々。
映画は2作目は主人公のゲンも配役が変わり、母ちゃんも宮城まり子さんに変わって
ねむの木学園臭がしたり、
3作目ではオープニングから歌と踊りで平尾昌晃歌謡教室臭がしたりと
回を増すごとに興味が薄れますが、
ただ、少なくとも、この原作の強さの計り知れない力を再確認しました。

作者の中沢啓治さんがどんな思いで
この作品を作ったのか。

漫画と言う媒体であれ、なんであれ、
伝えたい事を作品にすると言う強い意志
ぶれない姿勢。

いろいろな圧力や批判、反対などあったと思いますが、
いま、作者が亡くなった後でも生き続けている作品。

素晴らしいと思いました。

毎日のニュースを見ていると腹立たしい事ばかりですが、
こんな作品が生き続けていることで
まだまだ捨てたもんじゃないと思えました。

もしもまだ読んだ事がない人がいれば、是非、お勧めします。

死ぬまでに読んでおきたい作品の一つです。