The Jam⑥最後の贈り物 | mizuochi understanding

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ロックンロールバンドのブログです。

こんにちは。

一部の方に好評のThe Jam のコーナー。

今回でラストアルバムの紹介です。

通算6作目のタイトルは「THE GIFT」。

正直な感想として

お別れの贈り物なんて、悲しい。


The Jam THE GIFT


1982年の作品。

The Jam のスタジオラストアルバム。

ジャケットは3人をカラーで組み分け、
「3人」という印象を敢えて強く押し出したデザイン。

今となって感じるのは
多少ヤケ気味のリックバックラー。
まだ諦めていないブルースフォクストン。
既に先を見越した目を隠したポールウェラー。
そんな風に映ります。

僕は前作で「ジャムは既に頂点に達した」的な事を書きました。
このアルバムを聞くと理由が分かります。

3ピースバンドのアルバムじゃない。

間違いなく、トリオビートバンドのアルバムじゃなくなっています。

ホーンセクションを従えたソロアーティストのファンク系ロックです。
カリプソまであります。

ポールは解散のコメントとして
「このバンドでやる事は、、、」とか「自分達の活動に意味を持たす」とか
発表していましたが、要するに後の2人の限界を知って判断したとしか思えません。
そんな中、ブルースフォクストンは最後まで頑張っています。
少なくとも、ジャムの中で最も成長し、貢献し、頑張ったのは彼じゃないでしょうか。
このアルバムでも、ポールが望むファンクというジャンルに真正面から取り組み
充分なファンキーベースを彼なりに完成させています。

その分、リックバックラーは既に諦めているかの様なドラムです。
(俺の限界はここまで)的な開き直りさえ感じます。
僕個人的にも、最終の引き金となったのはドラムの様な気もします。

ただ、ポールがファンの為に最後の誠意を見せたのは
シングルカット「悪意と言う名の街」。
これはあからさまにモータウンサウンドのそれで
ここでも小気味よいベースラインをブルースが頑張っています。
サウンドとしてはモッズやジャム・キッズが如何にも喜ぶ事間違いないモノですが
プロモ・ビデオでは、ポールは既にギターさえ弾いていない!
ステップを踏んでノリノリで弾いているブルースは悲しいかなバックバンドの人となっています。

ご存じの通り、この後、ジャムを解散させたポールはすぐにスタイルカウンシルを結成します。
「ソリッドボンドインユアハート」なんかジャムバージョンで録音しながら
スタイルカウンシルで見事に焼き直し、(こうなるんですよ!)的な答えを出しますが
どうでしょう、ジャムのファンは意見が別れたんではないでしょうか。

僕は正直な気持ちとしてポールの行為とスタイルカウンシルを初めて聞いた時は
「裏切りやがった、この野郎!」と、思いました。
当人には全然届かないんですが、結構僕の様に思った人はいたんじゃないでしょうか。

ジャムの話し、とうとう佳境に入って来ました。
すでにバンドとしては終わったアルバムの後、何を書くのでしょう、、。

ところがラストシングルは、ファンへ向けた最高のギフトを用意していたんですね
ポールウェラーは、やっぱりズルいと思いますよ。

続きはまた。