Best Player Vocal 10 Ray Davies | mizuochi understanding

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ロックンロールバンドのブログです。

こんにちは。

まさか「ベストボーカル」なんて切り口で

この人を書いている事があったでしょうか?

ソングライターとしてとかロック詩人とか

はたまたキンクスの~ってのは山ほどあると思いますが

ベストボーカル、なんてのは皆無に等しいのではないでしょうか?

本土・英国ではあるかも知れませんが

ここ日本ではあまり書かれていないと思います。


Best Player Vocal 10
Ray Davies



レイデイヴィス
言わずと知れた、と、言いたい所が
意外にも日本の一般的にはあまりご存じの方は少なく
キンクスの、と言ってもロックに興味のない方には無縁かも知れません。

しかしビートルズは知ってるんですよね。
ローリングストーンズも結構知ってる。
フーになると一気に認知度が低くなり
キンクスになると非常に影が薄くなってしまう、、。

しかし、1960年代、ブリティッシュビートの4大ロックバンドにひとつ
ビートルズ、ストーンズ、さらにはフーよりも増して
より英国的なバンド、ザ・キンクス。
そのリーダーであり、ソングライターであり、ボーカリストである人です。



1枚目、2枚目と写真を見て下さい。
見るからにクセのありそうな顔でしょう?
そうです。
レイは徹底的なひねくれ者。
キンクスが世に出る直前、ストーンズにジャマされ、なんとかデビューして
「ルイ・ルイ」のカバーからヒントを得たのか
パワーコードをスライドさせるリフを思いつき
「ユーリアリーガットミー」で大ブレイクして、後にヘビーメタルの元祖とか
言われますが、本人はレコード会社の契約金を手にするや
ヘビーどころか牧歌的な歌を作り出したり
世の中の動きなんか目もくれず、やたらロックオペラを作ったと思ったら
フーに持って行かれてしまったりと
やる事が早いのか遅いのか、結局はひねくれが原因となって
セールス的にはビッグヒットになり損ねた事が多くある不思議な人です。

そんなレイですが、ことボーカリストとしてはどうでしょう?

どこかの誰かみたいに何オクターブ声を出す訳じゃなく
ビブラートを効かすテクニックもなく
迫力のシャウトが聞ける訳でもありません。

ただクセのあるカン高い、鼻にかかって
下あごに篭もった歌声は誰のモノでもない、彼にしかない味です。

ロングトーンも音程の変化も、声自体が美しいとは程遠い喉で
ひとつも無理をせず、淡々と歌い上げる様はレイの人柄で
自分が上手いとか下手とか、そんな事さえ気にしている様子もなく
自分のやりたい歌、イイと思う歌を、自分なりに歌い上げます。

これって、凄い事だと思いませんか?
それで世界の第一線で長きに活躍できるロックスターですよ?
プリテンダーズのクリッシーハインドと良い仲になったり
ロンドンオリンピックのゲストで呼ばれたり、、、。

ポールマッカートニーやミックジャガーみたいな派手さはないですが
自分のやりたい仕事を自分のやりたいようにやる。
これは憧れます。

ただ、兄弟仲が非常に悪いクセに、口さえ訊かない時もあるクセに
この兄弟は世界一息の合った兄弟だと思っています。
もちろん、僕が思っているだけですけどね。



7人兄弟でレイが6番目。上はみんなお姉ちゃん。
なんか、そんな感じ、分かりませんか?

いや、何って訳じゃなくて
なんとなくですが。

どちらにしてもキンクス、レイディビスはクセが強いだけに
一度ファンになると離れられません。
それは他では味わえないオリジナリティーの成せるワザです。

最後にひとつ。
キンクスの、と言うかレイのカバーをする場合のヒント。

アゴを突き出し、口を少し横に広げ、口角をちょっとだけ上げて
喉を少し狭めて高めの声で張らずに歌って下さい。
誰でもレイデイビスっぽくなります(笑)!

あ、猪木ちゃいますよ。断っておきますが、、、。