1枚、1曲、1フレーズ。「Clouds」 | mizuochi understanding

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ロックンロールバンドのブログです。

こんにちは。

昨日から始まった新コーナー

「1枚、1曲、1フレーズ」は

詞にだけスポットを当てた企画ではありません。

ただ、今回も第2回として詞を取り上げています。

どうしても紹介したかった作品ですので、、、。


1枚、1曲、1フレーズ
その2
Cluods



ジョニミッチェルの「Clouds」という
デビューから2枚目のアルバムです。
ジャケットの肖像画はご自身で描かれています。
この絵からも想像できるように彼女は非常に固い印象です。

今回はこのアルバム全体ではなく
世界的に大ヒットした「青春の光と影」
この1曲を取り上げたいと思います。

Both Sides, Now 青春の光と影

Rows and flows of angel hair  ふんわり浮かぶ天使の髪
And ice cream castles in the air そして宙に浮かぶアイスクリームのお城
And feather canyons everywhere, それと羽根で出来た渓谷
I've looked at clouds that way. そんな感じで雲を見ていた
※責任訳・mizuochi


うーん、どうですか?
まず、英語詞としてRowsとflowsとangelの韻の踏み方と
その単語が与えるイメージ。
そしてそれに続くice cream castlesと
それがin the airと来る。
更にfeather canyons everywhere,で情景が浮かびながら
I've looked at clouds that way.で
この歌がなんであるかと完璧なイメージを聞く人に植え付けます。

次のA’メロは飛ばしますが
サビで

I've looked at clouds from both sides now 私は雲を両側から見た
From up and down and still somehow 上や下とか変えてみたけど
It's cloud's illusions I recall でも雲はイリュージョンの様に思える
I really don't know clouds at all それは私が雲の事を全然分かってないから。


このサビの構成は1番で雲Cloudsを、2番で愛Love,
3番で人生Lifeを歌います。


僕はジョニミッチェルがこの歌を書いた時、
このはじめのAメロが書けた事とサビが書けた事で
作品としての完成度に自信が持てたのではと思っています。
もちろん、本人に聞いた訳でもないですから憶測ですが
そんな風に思える高い完成度には間違いないでしょう。

何よりもメロディーに乗ったこの詞、特に単語から与える印象。
早々に世界観を作りだしながらも、サビまで聞くと
その哲学的とも言える意味。
ただのキレイな情景を歌った女の子の作品ではなく
女性ながらの美しい情景を捉えながらも
主張と思想を歌っている、まさに名作だと思いました。



冒頭、彼女は固い印象と書きましたが
ただ固いというよりは意志の強さと表現力のタフさを感じます。
美術、写真、音楽もフォークからジャズへの融合など
進化しながらチャレンジしました。
恋愛にも積極的で、ジャズミュージシャンとの関係も多く聞かれましたが
ジャコパストリアスの死という別れも経験をして、更に強くなったようです。

生意気にも彼女の事を詳しいかのように書いていますが
僕はこの「Both Sides Now」についてのみ詳しく書きたくて取り上げました。
特にジャズに傾倒していった作品など、殆ど聞いていません。
ただ、この1曲についてだけはメチャメチャ好きです。

最初に聞いたのは本人バージョンではなく、ジュディ―コリンズでもなく
なんとグレンキャンベルのバージョンでした。

最後にひとつだけ。
完全に僕個人の感想ですが
タイトルの和訳「青春の光と影」は素晴らしい訳だと思います。が、
あえて言わせてもらえるなら「青春」はどうかな?と思います。
更に、本人を否定するつもりも全くないですが
アルバムタイトルが「Clouds 」で、曲名が「Both Sides Now」。
僕は逆、もしくは両方「Clouds 」でも良かった?とも思います。
みなさんはいかがでしょう?