先日、当事のメンバーと話していたら多少の記憶違いが発覚しました。
まぁ、大勢に影響がないので、このまま話しを進めます。
野音の話しの続きです。
季節的にも野音に行きたくなる頃ですね。
薄暗がりのライブハウスも雰囲気がありますが
野音はオープン、空気や天気やその他季節の匂いなど
また格別な味わいです。
バンドの思い出 その23
服部緑地公園野外音楽堂 その2

朝から晴れた最高のコンディションの中
僕らは地下鉄・御堂筋線に乗って緑地公園駅で降りました。
まだまだライブ慣れしていない僕らは、朝からステージ衣装、と言うか
決めた服装のまま集まったのですが
ドラムは黒シャツなんか持ってないとの理由からTシャツにジーンズ姿でした。
メンバーになってあまり日にちも経っていないし
それでなくても一人ハードロック好き(パンク嫌い)で
無理強いされるのがイヤというドラムにはそれほど強制も出来ず
簡単なサウンドチェックを午前中に終えました。
「あ、本日司会進行をさせていただきます○○です、よろしくお願い致します。」
ニコニコ笑顔で、僕らとは似ても似つかない真面目そうなお兄さんが近づいて来ました。
ドラムの服装にイマイチ納得できなかった僕は、つい不機嫌な顔で司会者を睨めつけてしまいました。
「、、、、、。んあ、あ、そんじゃヨロシク~、、、。」
挨拶もキッチリ出来ず、ゾロゾロとステージを降りました。
そう、そうなんです。
この辺が大きな間違いなんですよ。
僕は若かったと言えばそれまでですが、何様のつもりだったのでしょうか。
我が事ながら情けないとうか、今思うと、非常にカッコ悪い、、、。
バカだねぇ、、、。
さらに。
僕の態度はエスカレートして行きます。
自分たちを含めて出演バンドが何組かいて
本番までは自由だったのですが、他のバンドのステージを観るまでもなく
唯一、友人のバンド以外は客席にもいませんでした。
他のバンドと友好なんて!と、思っていたんですね。
そんな僕らは
今日のステージで動きの練習のおさらいをしました。
歌の途中で僕がベースに向かって走り出し
ベースはネックで殴り掛かるように振り回し、そのネックを潜り抜ける
そんな演出です。
、、、、、、。
どんだけカッコイイのか、今思うと、なぜこうしようと決めたのかも理解不能ですが
とにかく今回はこの振り付けが僕らのクライマックス(?)でした。
「ウミさん、走ってくるんはいつ解るん?」
(僕はウミさんと呼ばれていました。)
不安なベースが緊張しながら聞いてきます。
「目で合図するから大丈夫やって!」
僕が答えます。
そしてステージ。
やけに陽気な司会者とアシスタントの女の子が紹介してくれて
僕らはダラダラとアンプにギターをセッティングします。
何か司会者が聞いてきましたが
ええカッコ勘違いの僕は聞く耳を持ちません。
「、、、、。 では、準備が整ったようですので。
それでは、よろしくお願いしま~~す!」
まぁ、僕にとっては、その「しま~~す!」が気に入らなかったんですが
1曲目からふて腐れたワガママな態度。
薄暗がりのライブハウスでも通じませんが
青空の下でのヘタッピイバンドが生意気にイキってやってて
誰が喜んでくれます?
完全に客との距離がハッキリしながら、それでも何人かは僕らを観に来てくれた人がいます。
(見てろよ!カッコイイアクション!!)
そんな気持ちで打合せのタイミングが近づいて来ます。
(チラッ!)
ベースが見て来ます。
(チラッ!)
(もうすぐやで!)の意味を込めて僕も見返します。
(チラッ!)
きっと(わかった!)の合図でしょう、再びベースが見て来ます。
(ウン、ウン。)
僕が(大丈夫やって!)の合図で頷きます。
(!!)
ベースが(何?何の合図?)みたいな不安な表情でこっちを見ています。
僕は、目を大きく、大きく開き、細かく何度も頷いてタイミングを計ります!
ベースはヘッドを構えながら、ちょっとこっちに向き直し
少し素振りするように(この辺!)みたいに教えて来ます。
(行くで!!!!!!!!)
また、ちょっとだけベースがヘッドを軽く振ります。
(ここやで!)って感じでしょうか?
、、、、、、、、、、、、、、、!
(せ、え~~~~~~~~の!!)
ダッ!
僕は立ち位置を離れ、ベースの方へ飛び込みました!
(その3につづく)