前回で僕の残念な思い出というか
自分でも後悔しかない思い出ってありますよね。
実は僕にとってバンドの事は、思い出せば数えきれない恥ずかしい事の連続です。
よくもまぁ、これ程恥ずかしい事出来たな!と、自分で可愛そうになるくらいです。
今回は可愛そうなギターに続いて
可愛そうな僕の話しです。
バンドの思い出~その4
はじめて買ったギターが不本意な音を出す事から結構すぐに立ち直り
僕に新たな欲望が生まれつつありました。
僕の中でロックの定義が
ギター+ベース+ドラムであった事から
ドラムが不在であることに気づいてしまったのです。
その頃からバンドを組む話しだけは進行していて
ギターは僕以外にもいました。
ベースは楽器も持っていない時から
「俺、ベース!」と、ビートルズマニアの友人が手を挙げていたので
後はドラムです。
俺がドラムやればええやん。
そう思うと、もうダメです。
ドラムが欲しくて仕方なくなります。

※写真は4点セットですが、買ったのはタムが1つの3点セット。
ドラムには国内で3大メーカーがあり
ヤマハ、パール、タマとありますが、何より値段です。
どこもあまり変わらず、セットで揃えると10万円ほどしてしまう。
カタログを見てはニヤついていました。
その頃、僕は月に5,000円の小遣いをもらっていたのですが
死ぬほどサッカーをしていましたので
そのほとんどを食べてしまっていました。
なんとか工面してもレコードさえ買えない経済状況でした。
そこで一大計画を立てます。
夏休み期間、アルバイトをする。
アルバイト先は時給の良い牛丼屋。
でも、僕の通っていた高校は公立とはいえサッカーがそこそこ強く
それで選んだ事もあって、練習は絶対休めません。
ましてや僕は一年からレギュラー練習に入れていたので
絶対手を抜けません。
30名ほどいた1年で2人だけがレギュラー組でした。
休める筈がない。
更に
夏休みの練習は朝から日暮れまで。
実質、朝8時には校庭へ出て、だいたい6時くらいまでで終わり。
僕は6時から着替えて、そのまま45分電車に乗って、
大阪で一番忙しい牛丼屋で終電までアルバイトすることにしました。
しんどいなんて関係ない!
それでドラムが手に入るなら全然平気。と思っていました。
有難い事に牛丼屋は週給制。
僕の皮算用だと週に15,000円くらい稼げて4週でドラムの基本セット、
あと2週間でパーツやシンバルなどを揃える事が出来る!
楽しい夢は広がるばかり!
もうゴーフルの空き缶で作ったドラムともオサラバできる!
そうです。
誰もドラムが欲しい人はやったと思いますが
僕はゴーフルの空き缶などを集めて箸のスティックでドラムを叩いていました。
バカの夢が広がると加速しっぱなしです!
わくわくの終業式を迎え夏休みが始まります。
しかし、その日から
僕にとって金を稼ぐ事が
どれ程厳しい事かを知らされる日々が始まるのでした。
(つづく)