声もギターのニュアンスも聴いたことの音楽だったからあまりに気になってね。
気になったものを放って置けない性格だからその場で消化していきたいんだよね。
そうしたら、丁寧な店員さんが「社長しか分からないのでちょっと聞いてきます」って厨房を離れて わざわざ聞きに行ってくれたんだ。
その5分後に1枚のCDを片手に降りてきたのは社長だった。
唐突にも「君はもしかして音楽好きなのかい？」って半ば強引に隣に座ってきた社長の表情は水を得た魚のように生き生きしていたんだ。俺も伝染して嬉しくなるくらい。
更に、
CD貸すから聴いてみなよってさ。
もちろん社長とは結構年は離れていたけど、音楽を通じて得た一体感は想像を超えるものだった。時間を忘れて話し込んで得たものは大きい。
社長の器の大きさに惚れ惚れしてる内に、肝心のスープカレーは冷えてたけど、俺の心は煮えたぎってたね。
長津宏文さん。
CDから感じる畳の匂いは無性にブルースだった。
今日も音楽に感謝を込めて。
THE TON-UP MOTORS
井上 仁志