凄まじい光 | 克("Singer"/THE TIST/Solo/アコースティックユニット)Official Brog【 MID NIGHT ROCKERS!!! 】
昨日は、インフルエンザが完全にまだ治らない、フラフラの体に鞭をいれて渋谷PARCOへ。

X'masにpresentで頂いたチケットを握りしめて。



彼たちに、90年代、頭を、心を撃ち抜かれた奴は俺のまわりのバンドマンに沢山いる。

90年デビューした唯一無二な彼たち。
おいらが、上京したのも90年。

同郷ってのもあり、尊敬に似た気持ちと、遥か遠くにいる、片手の数ほど年上の彼たちはいつも当たり前に格好よかった。
そして、本物のロックのヒーローだった。

だが、何故だか分からないが、個人的には97年あたりから、彼たちから次第に興味が薄れ、気付けば解散していた。

そんな気持ちで会場の席に着いた。



突然の解散から、10数年が経つのに、映し出されたスクリーンの彼たちは色褪せない強烈な艶やかさと、野性を放つ。

映画館がライヴ会場のように、前の席の女の子の背後から興奮を必死に抑えるのが、伝わる。

俺も、凍りついた様に固まったままだ。
気を抜くと一発でヤラれる。
心拍数が上がり、彼たちしかくれない説明不能な興奮がやってくる。


もう、このグループは存在しないのに、まだ脈々と生きてるモンスターみたいな生命体がスクリーンの中で噴火している。



エンドロールが終わり場内が明るくなると、自然に拍手が始まり、なかなか鳴り止まず、皆、席を立とうとしない。いや、帰りたくないのかもしれない。

泣いてる女の子が何人もいた。

オレも何度も目頭が熱くなった。
感傷的な寂しさとか、哀しさとか、そんな安直な感情じゃない。

胸の奥に、オマエの音楽は真っ直ぐ生きてるか??って突き付けられた様なヒリヒリする快感だ。




まるで、そこにいたかの様な三人がスクリーンから消え、現実に引き戻されて行くのが気だるく感じた。

だが、もう彼たちはいない。





BLANKEY JET CITY







何度も目にした文字、響き。
いつも遥か遠くで、凄まじい光を放っていた三人。





印象的だったのが、一人寝転がり遠くを見つめ、ニヤリとふと笑った浅井さんに、ゾックっとする程の冷たさと、熱さを感じた。

照井さんが、発狂したかのようにステージ上でロックンロールと連呼した時は体に鳥肌が立ち、血が騒いだ。


そして、俺の中で何かがふっ切れ、終われた。

また、新しい自分が芽生える。

例え小さくても、自分の世界は手前で作り続けるしかない。




ありがとう。




場内を出て、ふと、気になり会場近くの、上京した頃にバンドをしながら働いていたBARを探したがもう無く、跡地を眺めてたら90年代の自分がフラッシュバックして見えた気がした。

「到底、届かない凄まじい光かも知れない。。」

俺達、微かな光かも知れないが、燃えカスになるまで、バンドやらなきゃ。って思いながら、酔っぱらいで浮かれたセンター街を歩いてたら突然、雪が降ってきた。

汚れたこの街や、昔の自分が溶けて消えるようで、何か清々しい気分だった。

火照った体と心に雪の冷たさが気持ち良かった。

まだまだ、ぬるい自分がハンマーでぶっ叩かれたような帰り道は、煙草を吸い、満月を見ながら自宅まで歩いてゆっくり帰った。

あんなに、煙草がうまかったのは、いつ振りだろう。












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