
この写真は、一昨年の名古屋ヒルトンホテルからの眺め...
確か、俺がまだ17か18歳位の頃に出来たホテル。
その頃、真下に見える「ハートランド」で、働いていた。
地下がライブハウスで二階がバー。バーテンをやりながら帰りのゴミ捨てを終わる頃に、このホテルを眺めよく煙草吸っていたな...
「でけぇな~...」
一階のガラス張りのラウンジでくつろぐ、大人が遠い存在に見えたな。
「いつか、このホテルに泊まって名古屋の街を眺めたる...それまでは。」
そして、上京してから随分と時間は流れ、
故郷名古屋の街を一人眺めてみた。
その気になれば、何時だって来れたはずなのに、一昨年にその時が来た。
下を見ると、古びたハートランドは小さく見え、不思議な気分だった。
あそこから、遠い昔の俺は上を眺めていたんだ..
何かが、通り過ぎていった気がした。
何かを許せた気がした。
この街で、俺と言う人間の核が形成されたと言っても過言じゃない。
いつも、何かに怒り、光に飢え、何も信用なんてしない、あの頃。
今は人の優しさを知った。いつかまた、あのホテルに泊まろう。
その時に、俺は何を感じるのか知りたい。
何を求め、何を手にしたのか知りたい。