№289 R5.7.11投稿

「 やまのがみさんの水 」

 

私達の故郷雄勝町には

硯上山という山があり

ふもとの道路沿いに

山水をくむことができる場所があって

その水は
「 やまのがみさんの水 」と呼ばれ

とてもきれいで冷たく
美味しい水でした

 

きっと ほかの町でも

自然が豊かな土地でしたら

このような場所があり

災害時の飲料水として

考えられている場合も多いかと思います

 

また 有事の際に

水が必要となった場合

このような場所はなかったかと

 

特に 災害直後や

物資が届かない状況になった場合は

災害後の混乱状態の中にあっても

必死で探すことになるでしょう

 

実際に
雄勝町で震災の直後はこうでした

 

津波の時 私たちは

山にある火葬場に避難しました
火葬場にも山水が出る蛇口があり

待合室のガスがあったので
沸かしてから使うことができましたが

時間の経過とともに

水の勢いは弱まっていきました

 

「このままいづまで出でけっぺ?」

(このままいつまで水が出てくれるだろうか)

 

避難した人たちは

「やまのがみさんの水あっちゃ」
(やまのかみさんの水がある)

そう口にしましたが

すぐに それは使わない方が良いと

年配のおじさんたちが教えてくれました

 

あれだけの地震があって

普段きれいな水でも何が混じるかわからない

土や砂だけではないものも混じるから

例えきれいに見えても

安全に飲めるとなるまでは
飲まない方が良い

 

こんな時に 

おなかを壊しても

誰も助けることができない

 

やまのがみさんまで歩いている途中で

また津波が来たら逃げられない

 

そう教えてもらいました

 

そうか 普段の雄勝ではないんだ

自然に囲まれていても

大地震と大津波で

自然自体が変わってしまったんだ

 

今振り返っても
そのことを教えてくれる人がいて
本当に良かったと思います

 

きっと 私一人だったら

やまのがみさんの水を求めて

歩いて行こうとしたかもしれません

 

子供たちに飲ませる水がないとなれば

危険な行動をしたかもしれません

 

災害のさなかに
わが身が置かれないと
気づけなかったこと

 

忘れないうちに

お伝えできればと思います

 

そして何より

ご自分の環境と照らし合わせて

熟考・相談して頂けますよう
お願い致します

 

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