№263 R4.1.27投稿

「 私の現実とためらい 」

 

私が持っている

価値観のようなものが

語ることを躊躇させます

 

でも 

当時本当に感じたことを

ありのまま伝えなければ

本当の想いが伝わりません

 

遺体の取り違えを経験した

家族でなければ

伝えることができないこと

 

常に命を守ることを

お願いしながらも

どうか誤解のないように

知っていてほしいのです

 

災害時

命を喪ってしまった人は 

遺体安置所に

搬送されることになるでしょう

 

そのような状況に置かれたら

災害時の混とんに

目隠しされないでください

 

ただでさえ

心も何もかも

激しく乱れている状態です

 

災害前の通常の常識は

通らないと意識してください

 

津波の後

 

母が見つかった病院から

身元確認の書類と共に

警察にお願いした母の遺体は

遺体安置所で

安置された数日のうちに

まるで別人として

胸元の紙に名前を書かれました

 

その数日後

他のご家族のもとへ引き取られ

私たちの知らないうちに

火葬されお骨となりました

 

DNAの検査もされず

家族だという証言だけで

遺体の取り違えが起きました

 

私たち家族は

まさか身元確認までして

搬送された母の遺体が

他のご家族に渡るとは

想像すらしていませんでした

 

あの津波の地獄の後で

そのことを知らされた時から

 

母が戻ってくるまで

どうやって過ごしたのか

思い出すことができません

 

母の遺体を見つけたのは

父と弟たちでしたが

 

遺体の搬送をお願いする際に

自分たちの服を引き裂いてでも

母から外れないよう

きつく結び付けて欲しかった

ペンがあったなら

体に名前を書いてほしかった

 

そんなことばかり

考えていました

 

ずっとずっと 

考え続けていました

 

DNA鑑定という存在も

身元確認後だということも

 

大きな災害では

DNA鑑定が間に合わなかったり

 

身元確認書類についても

安全で正確では

ありませんでした

 

早く家族を見つけたい

大切な人だからこその

切羽詰まった想いが

遺体の引き取りを急がせます

 

私はそれを知ってしまったので

いくら起きてほしくないことでも

遺体の取り違えは

大きな災害のたびに

起こりうると考えています

 

ですから 

どうか皆さんは

ご家族とよく話してみてください

 

災害時に

命を喪わずに逃げる方法を

 

遺体安置所に

通わなくてすむ方法を

 

どうか

私のような経験を

しないでください

 

命を守ることが最優先です

 

絶対に私のような

経験をしてはいけません

 

災害で

命を喪う人がいませんように