№232 R2.6.28投稿
「 足枷 」
避難したら何もかもが不便になってしまう
見ず知らずの人と寝床を並べて
避難生活を協力し合うのは煩わしい
食料も物資も足りるのだろうか
足りたとしても分け合うような生活は嫌だ
危ないなと思ったら
その時に逃げればいい
避難所に行くのはできるだけ避けたい
今は何ともないのだから
きっとこのまま家にいても大丈夫
そんなことを思ってはいませんか
そんな足枷を外せない人はいますか
それは 家を失ったことのない人のイメージ
屋根や壁のある場所を求めたことのない
幸せな人が持つイメージ
子供の手を引きながら
眠る場所を探したことのない人のイメージ
命を守ることと生活の不便さが
同じライン上に並んでいる人のイメージ
本当の災害を目の当りにしたら
被災後の不便さどころでありません
一瞬で家をなくしたら
そんな贅沢な思いは浮かんできません
安全な場所に逃げたい
身の置き所が欲しい
命を守り抜きたい
そんなことばかりを考えます
東日本大震災で
河北町の避難所に入れてもらえた時感じたのは
やっと横になれる
やっと子供達を抱いて横になれる
それだけでした
被災した私には
生きること 生かすことが全てでした
例え ショックで自分の名前すら書けなくなっても
そんなことは どうでもいいことでした
危険になる前に避難してください
災害は人の感情なんて
推し量ってはくれません
加減などしてはくれません
危険な場所から避難できることは
とても幸せなことなのです
逃げずに命を喪う事だけはしないでください
幸せが当たり前になっている今のうちに
本当に恐ろしいことは何なのかを
大切な人と話してください
私の書く記事が
怖いと思う方もいらっしゃるでしょう
災害の話を遠ざけたい方もいらっしゃるでしょう
でも
災害の恐ろしさは
目をつぶっても耳を閉ざしても
消えることはありません
どうか 安全に避難してください
どうか 皆さんの大切な人と
命を守る相談をお願い致します
ご家族や大切な方々と
シェアをして頂ければ幸いです
どうぞよろしくお願い致します_(_^_)_
#語り部佐藤麻紀