№226 R2.3.23投稿

「 亡くなった父が教えてくれたこと 」
 
父が亡くなってから1年が過ぎました
 
父も母も祖母も 私の大切な人なのに
亡くなってしまった後の
私の気持ちの「在りよう」が違うのです
 
父が亡くなる際には
病状が急変して ある意味突然であったとしても
まだ 心音があるうちに父の耳元で
これまで育んでもらったことへの
感謝と想いを伝えることが出来ました
 
その時の父には既に意識がなく
言葉を返すこともできない状態になっていましたが
私たち姉弟の想いは伝わっていると
不思議と強く信じることができるのです
 
大切な人に想いを伝えることも出来ずに
人生の最後 傍らにいることも出来ずに
 
その為に私の気持ちの在りようが違うのは
突然大切な人を喪った人でなくとも
すぐに感じ取れることだと思います
 
突然残された立場の私は
父が亡くなったことで
また違う側面を考えさせられることになりました
 
私自身が 突然 
大切な人を残して命を喪ってしまったら? 
 
私が突然亡くなってしまう立場だったら?
お別れも言えずに不安な気持ちのまま
たった一人きりで亡くなってしまう状況になったら?
 
病院のベットで横たわる自分になって考えました
 
遺体安置所の床に横たえられる自分になって考えました
 
いろんな場面で 自分が亡くなることを考えました
 
津波であれだけの目にあっているのに
恐ろしくて 恐ろしくて 仕方がありません
 
大切な人と突然別れることは
我が身と心を裂く 深く暗く鋭い痛みです
 
思いがけない死は 大切な人を深く悲しませ
一生逃げられない後悔を背負わせるのです
 
話すことも 抱きしめることも
寄り添う事も 見守ることもできない
いくら 望んでも出来なくなってしまう
 
「 自分がどうなっても
  大切な人が生きてくれさえすればいい 」
違う 違うのです
そんな考えは 現実を知らない自己満足
 
大切な人とは 
「 同じ時を一緒に生きる 」のです
 
事故や災害で命を喪わず
 
生きていられる時間を
一緒に 生き尽くすのです
 
季節はもう春です
 
私達はあと何回この季節を迎え
春の花を愛でることができるのでしょうか
暖かい春の風を感じることができるのでしょうか
 
今を大切に生きられることは
本当に幸せなことだと思います
 
私たちみんなが
愛する人達と春を過ごすことができますように
そう願ってやみません

 

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                 #語り部佐藤麻紀