№194.H31.2.19投稿 
「 手のひら 」
 
冬になると
水仕事で手のひらはガサガサになり
洗濯物をたたむとき
撫でた繊維がザスザスと音を立てます
私の手も母と同じ手になってきました
 
働き者の母の手が
幼い私のほほをなでようと手を伸ばし
「 手ぇガサガサって 撫でだら痛でぇな 」
いつも そうやって撫でるのを躊躇っていました
 
水仕事で手が冷たくなっているときも
服を着替えさせる手が肌に触れないように
「 ごめんな 手ぇ 冷てぇな 」
そういいながら 着替えさせてくれました
 
震災の後
毎年毎年 この時期になると
いくら考えないようにしようとしても
幼いころ母と過ごした時間が湧き上がってきます
 
何かを夢中でしていないと
震災に引き込まれそうになります
 
津波で母が亡くなって
形見も何も残りませんでしたから
娘である私自身が母の形見です
もっとしっかりしなければいけませんね
 
いつもお話しする
「 喪いたくない人と相談してください 」
このお願いは
 
もっと 母と祖母と話しておけばよかった
もっと 一緒に過ごす時間が欲しかった
そんな思いを託しているお願いでもあります
 
「 防災減災 」は 特殊な分野ではなく
「 命を守るにはどうしたらよいか 」を
大切な人と相談し実行するためのものです
 
皆さん おひとり おひとりが
喪いたくない人と生きるための手段です
 
防災減災というものを
面倒くさく感じたり
難しく考えすぎて遠ざけてしまえば
いつかご自分のかけがえのない人を
喪ってしまうかもしれません
ご自分の命さえ亡くしてしまうかもしれません
 
大切な人とは
生きて一緒に過ごせるほうが幸せなのです
会いたいときに会えるのが幸せなのです
話したいときに話せるのが幸せなのです
 
私のように
自分の手のひらを見て
母を探すようなことがあってはいけないのです
 
幸せは 今なら
手の届くところにあるはずです
例えまた災害があっても
その幸せを壊さないでください
壊してしまえば
ご自分の心が壊れてしまいます
大切な人の心が壊れてしまいます
 
あんなことは もう2度とごめんです
 
 
出来ましたら
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#語り部佐藤麻紀