№193.H31.2.14投稿 
「 あってはならない事 」
 
あなたの喪いたくない人の姿を
詳細に思い出してください
 
今日 その人と最後に会った時
 
どんな上着を着ていましたか
どんなズボンをはいていましたか
どんなスカートをはいていましたか
どんな靴を履いていましたか
携帯電話は持っていましたか
免許証は持っていましたか
どんなバックを持っていましたか
どんな指輪をしていましたか
どんな髪型でしたか
瞳の色はどんな色ですか
二重ですか 一重ですか
切れ長な目ですか 
丸い目ですか
目じりは上がっていますか 下がっていますか
ほくろはどこにありますか
そばかすがありますか
正面から見た時 鼻の穴は見えますか
体に手術の後がありますか
どんな傷がありますか
刺青のようなものはありますか
あざはありますか
 
他の誰とも違う
確実にその人だと特定できる特徴はありますか
それは裸になった状態でも解るものですか
 
災害で大切な人を喪ったとき
大勢の人が一斉に亡くなってしまったとき
異常な混乱状態の頭と心を奮い立たせ
必死に思い出さなくてはならないことです
 
一時でも見つけ出すことが遅れてしまえば
二度と見つからないかもしれません
 
かといって
 
混乱の中で他の人と間違えてしまえば
家族でない人を自分の家のお墓で
供養することになります
間違えられたその人の家族も
大切な人を見つけることが出来なくなります
 
あなたが思った喪いたくない人も
何処かで暮らす他人であっても
その人が災害で亡くなってしまえば
探し出すのは家族にしかできません
家族でなければ
その人だという証明が出来ないのです
 
この様に文章にすると
「 私だったら絶対に見つけ出せる 」と
考える人がいるかもしれませんが
 
実際に家族を喪い探し回った人は
現実の安置所で生き地獄を経験しています
そんなに簡単なことではないのです
 
遺体安置所での出来事を経験した私は
一生の重荷を背負ってしまいました
 
みなさんは
その生き地獄の中に身を置きたいですか
喪いたくなかった人を探し回ることが出来ますか
愛する家族に自分の遺体を探させますか
 
「 わたしの家族は
  こういう服装をしていたはずです!
  こういう特徴があります!    」
そう叫び訴えながら探すご自分の身の回りは
あなたと同じように
愛する人を必死で探し回る人でいっぱいなのです
 
そんな状況は
あなたにも あなたの大切な人にも
あってはならない事なのです
 
大きな災害では多くの命が喪われる
そんなことは重々承知です
 
でも津波で家族を喪ってしまった私には
最初からそのような低い意識を
当たり前の常識とすることは出来ないのです
 
災害で亡くなる人がいて仕方なしとすれば
助かる命も少なくなり
全ての人の無事を目指せば
一人でも多くの命が助かるのです
 
その助かった一つの命は
あなたの命かもしれません
あなたの大切な人の命かもしれません
 
私達は
備えることが出来るはずの災害で
たった一つの命を喪ってはいけないのです
 
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#語り部佐藤麻紀