№178.H30.9.19投稿
「 忘れ物は急かされるほどに 」
 
「 今はとっても辛くて悲しいだろうけど
  いつかきっとこの被災の経験を
  君の人生の中で活かせる日が来るよ 
  いい経験をしたと思える日が来るんだよ 」
 
被災経験のないある大人の方が
被災した子供に対して
「 このように伝えてあげたい 」と 
私に話したことがあります
 
被災して傷ついたこどもの心を
早くケアしなければいけない
何かこの子たちのためになることを言ってあげたい
慰めになる言葉をかけてあげなければ
 
そんな優しい感情から
思い立った言葉に違いありません
 
皆さんはここに問題があることを
お気づきになったでしょうか
 
子供の人生に比べて
長い年月を過ごした経験のある大人は
確かに自分のこれまでも経験上から
子供達に教えてあげられる部分が多くあります
 
しかし 被災の当事者という部分においては
被災してしまった子供達は 
災害もその後の避難生活も その心と体で経験し
目の前の現実を 毎日受け止め続けているのです
 
言葉が上手く見つかりませんが
子供であったとしても
「 被災経験における先輩 」なのです
 
その小さな先輩たちは
同じく被災した大人たちにも経験のない
子供時代を送っています
 
大人からの慰めを
子供が拒絶することもあるのです
優しい感情から思い立った言葉が
子供のためにならないこともあるのです
 
まして
「 被災した経験が
  いつか良い経験をしたと思える 」という言葉は
被災した大人である私でも受け止めかねます
  
「 今はとっても辛くて悲しいだろうけど
  いつかきっとこの被災の経験を
  君の人生の中で活かせる日が来るよ 
  いい経験をしたと思える日が来るんだよ 」
 
この言葉 実は優しいようで
非常に無責任な 大人ゆえの勘違いなのです
 
「 困った時はいつでも力になるからね 」
 つらい時や悲しい時
 そっと寄り添うことの方が重要なのです
 
格言めいた言葉なんていらないのです
被災した私達には
皆さんの優しいお気持ちが
痛いほど伝わってくるのです
言葉にせずとも ちゃんと伝わってくるのです
 
私自身
被災後の我が子のケアを
本当にどうしたらよいのだろうと
ずいぶん悩みましたが
7年経った今でも
寄り添って毎日を過ごすことが
被災後を生きるための
お互いのケアになっている気がします
 
心の忘れ物は
急かされれば 急かされるほど増えていきます
自分の力で
ひとつひとつ ゆっくりゆっくり大切に
被災後の命を生き尽くしたいのです
子供達にも 大切に大切に生きて欲しいのです
 

 
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