№172.H30.8.29投稿 「 命のバトン 」
 
大きな災害や事故 そして悲惨な戦争の後
必ず体験した人たちの中から 
その出来事を伝えようという意志が生まれます
 
災害や事故 戦争を体験した人たちは
なぜ 自分達が体験した身を裂かれるような想いや
話せば自分が傷つく部分をさらけ出してまで
その出来事を伝えようとするのでしょうか
 
以前 私の語り部を聴いてくださった方々に
「 このような厳しい体験を話されて
      ご自分がお辛くありませんか 」
「 どのようなお気持ちで 
  何度も何度も被災体験を話されるのですか 」
そのような質問を頂きました
 
私が 皆さんに津波の体験をお話しするのは
命を守る為の相談が足りなかったことで
母と祖母を喪ってしまったことを悔やんでいるからです
何度お話ししても その後悔が尽きることはありません
その後悔と 母と祖母に謝り切れない想い
自分が生きる道を探りながら語り部をさせて頂いています
 
話すことの痛みは
当時 私が体験した痛みを上回ることはありません
東日本大震災で母と祖母を喪ってしまったことは
震災を語り続けさせる程の大きすぎる痛みなのです
 
いくらお話ししてもその痛みが薄れることはありませんが
話すことで地面に足を付けることが出来ているのです
 
むしろ怖いと感じるのは
このまま自分の心を守るためといって
震災の体験を話さず 伝えず 抱え込んだまま
私が死んでしまった場合
私の孫やそれより先の子孫達が
母や祖母のように突然命を亡くしてしまうことや
私のように遺体安置所で心を失ってしまうこと
未来に生きる命が危険にさらされることなのです
 
私が震災で命を落とさずに済んだのは
祖母に教えられていた津波の話と
後はまぐれでしかありませんし
あの日に戻り母と祖母を助けることは
いくら願っても祈っても不可能なのですから
それであれば 残された時間を使い
未来に生きる子孫たちの踏み台になればいいのです
命を守るための踏み台になれればいいのです
 
私には遺体安置所を必死になって探し回った日々
人の心を喪ってしまったあの日より
辛いことなどないのです
再度 愛する家族を喪う時以外 辛いことはありません
これが 震災翌年から私が語り部を続ける核心です
  
何時も皆様にお願いする
「 大切な人とお話ししてください 」
「 災害があっても必ず無事で再会しようね 」の約束は
大切な人から大切な人へ
喪いたくない人から喪いたくない人への
「 命のバトン 」です
 
災害の現実を知ることは大変厳しいことですが
見えない相談の種を蒔き 命のバトンを渡せるのは
東日本大震災のような大きな災害を知っている私達です
どうか 未来に生きる命を守るために
相談の種を蒔き 命のバトンを繋いでください
子孫の命を守る礎になれるのは私達以外にないのです
 

私の思いを綴った記事ですが
皆様のお心に触れる記事がございましたら
ご家族や大切な方々と
シェアをして頂ければ幸いです
どうぞよろしくお願い致します_(_^_)_
#語り部佐藤麻紀
#復興
#防災減災
#東日本大震災
#津波
#シェアをお願いします