ある日突然
大切な人を喪ってしまったときの涙は
湧き上がった痛みに夢中で
涙が流れている事にすら気付かないものです
あの日からしばらくして
笑顔で泣くことも覚えたし
声を殺して泣くことも覚えたし
でも
どんなに泣いても
あの日のように
流れている涙に気付かないことはないのです
泣いている自分に気づけること
涙をぬぐえることって
有難いことなんだなぁ
当たり前のことって 有難いなぁ
そう 思います
愛する人と
大切な人と
友人と過ごせる何気ない時間
笑顔で過ごせる時間
相談できる時間
触れ合える時間
唯々 一緒に過ごせる時間
無くしてからでは
その人と過ごす時間は二度と取り戻せないのです
泣いていることにすら気付かずに
愛する人を探し回るのは
あなたの人生に必要のないことです
そんなこと
決して在ってはいけない事なのです
私は音楽活動をしています
そんな通常の楽しみの傍らに
常に震災の事が付きまといます
それが震災後の私の人生であり生活です
私は 毎日あの日のことと一緒に
何でもないような顔をして生活しています
今はそれが当たり前の生活になりました
しかし
震災が無かったら
今頃どんな生活をしていただろう
どんな人生を送れていただろう
いつもそう思うのです
震災後の幸せは確かにあります
母と祖母を亡くしても
大切な家族と暮らせていますから
その有難さは 充分以上に感じています
でも どこかが違う
被災する前とは 幸せの在り方が違うのです
今が幸せだと思えても
心のどこかで またあの日にのように
生活が一瞬で消え失せてしまうことがあるのではないか
愛する人達 そして自分の命が無くなるのではないか
そのような思いが
常に幸せの裏側にぴったりと張り付いています
愛する人を無くす恐怖を 一度知ってしまったら
二度とそれ以前の幸せの在り方には戻れないのです
例え災害が起きても
今 目の前にいる愛する人と
何気ない当たり前の生活を
本当に当たり前に送れるように
お互いの命を守る相談をしてみませんか
今なら まだ間に合うはずです
私の思いを綴った記事ですが
皆様のお心に触れる何かがございましたら
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#語り部佐藤麻紀