大きな災害が起きて 
早急な避難が必要になったとき 
その場に非常持ち出し袋が無くても
命だけは持って逃げてください...
私が そのようにお願いするのには
津波避難を体験したからこその理由があります 
 
現地でわが身をその状況下に置かれた人間と
報道を通して見聞きしていた人とでは
今現在 避難に対する感覚が違うのかも知れません
 
避難した後で命を永らえるために
お腹がすかないように
喉が渇かないように
準備した非常持ち出し袋の中身は
自分が準備したものだから
非常時に誰かが困っていても 分ける必要はないですよね
持って逃げない人は その人の責任ですよね
非常持ち出し袋が誰かに盗られてしまわないかしら?
どうでしょう そのように心配していませんか
 
非常時に逃げるということは
「 自分の命が生と死の境目に置かれた 」
ということです
 
もし 備えていた物資を何一つ持ち出せなくても
自分の命を抱えて逃げるのです
そこには 倫理観や道徳観や常識は通用しません
本来人間が持っている感のようなものがあるだけです
あの日 私達の目の前に広がった世界は生き地獄です
地獄としか表現の仕方がないのです 
 
被災する前の私は 命が助かることを前提の
甘い備えをしていたのだと 痛感 猛省しています 
 
実際の緊急避難時には
家や お金や 車 それだけではありません
家族の写真や 子供の母子手帳 へその緒
身の回りの思いがこもったものを「すべて」
箸の一本に至るまで「すべて」失う覚悟が必要です
自分のものが何も無くなっても逃げる 
覚悟の備えが必要です
 
命より大切なものはないのだもの
そんな事はあたりまえでしょう
理屈でそう考えるのは簡単ですが
実際 災害がわが身に降りかかったら
どのような行動をするでしょう 
 
被災体験を経て語り部を続けていても
経験上必要だと思ったものを備えていても
再度 災害に見舞われたとき
私の命の保証はどこにもありません
非常持ち出し袋も備蓄品も命の保証はしてくれません
ご自分の命が助かった時 初めて役に立つものです 
 
備える作業というのは 
リスクを減らす作業なのです
優先順位は命が一番です
物が無くなる不安に目隠しされて 
命が喪われる不安を忘れないで下さい
 

被災した人間の気持ちの一端です
シェアしてくださる方がいらっしゃいましたら
ご自由にお願いいたします
また 必要と感じてくださる場合は
このページの記事を
大切な方と一緒に ご覧ください
 
語り部佐藤麻紀