真の恐ろしさを見据えること 

食べるものが無かったらどうしよう
飲み水が無かったらどうしよう
逃げきれなかったらどうしよう...
家族とはぐれてしまったらどうしよう
自分が死んでしまったらどうなるんだろう
 
考えれば考えるほど 怖いことだらけです
 
災害時の映像をご覧になった方は
自分の住んでいる家が倒壊したらどうしようと
財産が目の前で瓦礫と化す怖さを
我がこととして感じた方もいらっしゃることでしょう
 
東日本大震災発生当時
私には そんなことを考える余裕はありませんでした
 
ただただ 怖かったのは
必ず町に来る津波というものに
 
次はどうしたらいい!?
いま何をしなければいけない!?
生きるための突発的な心の問いかけでした 
 
津波という未知の恐怖は
通常の感情さえも奪っていきます 
 
山に逃げて 火葬場までたどり着いたときも
私はまだ 現実であることが飲み込めずにいました
 
怖いと感じたことを理解できたのは 
多分 地震発生直後と火葬場の中で夜を迎えた時です
 
災害は怖い 恐ろしい 
震災前 災害はそういう物だと思っていましたが
実際の災害発生時は そのような感情を感じて
恐れ悲しむ余裕すらない生と死の境界線上です
 
災害時に逃げること 
避難経路や二次避難先を確認し合うこと
愛する家族や大切な人と事前に話し合う事を
しつこく皆さんにお願いするのは 非常時に 
反射的で安全な避難行動をしていただくためです
 
そして そのことが私の後悔の発端であるからです 
 
皆さんに 
命を守るための事前の話し合いをお願いすることで
大切な人の命をを守れなかったという
ぬぐい切れない後悔をぬぐっているのです
 
足がすくんでしまったらどうしよう
私だけ逃げ遅れたらどうしよう
家族が亡くなってしまったらどうしよう
 
誰でも 未知の災害は怖くて恐ろしいものです
あなただけではありません
誰だって恐ろしいのです
被災経験のある私達も
また被災したらどうしよう
そう考えると 身も心もすくんでしまう思いです
 
災害は恐ろしい 怖いと感じる余裕があるうちに
家族で話し合い 命を守るための
判断力 瞬発力 行動力 を磨き
真の恐ろしさを見据えなければいけないと思うのです
 

被災した人間の気持ちの一端です
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語り部佐藤麻紀