創立100周年記念《アクティブ学園史》その413 | 松尾欣治のブログ

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桜美林学園史における最大の謎は、賀川豊彦初代理事長が、なぜ男女共学反対して辞任したか?

オベリン大学は男女共学に最初に踏み切った大学であるから、賀川豊彦の辞任劇は、不可解である。

ここで

「著者は処女作に向かって成熟する」

ものなら、徳島旧制中学時代、《徳島毎日新聞》に翻訳紹介したジョン・ラスキンの『胡麻と百合』に向かって賀川豊彦は成熟していったことになる。

ラスキンの『胡麻と百合』の『百合』が女子教育論であるから、これを基本に据えると、

    「男女共学に反対だ!

となる。

この決裂を和解させるには、賀川が清水安三に依頼した《中江藤樹隠れキリシタン論》を使うしか方法がない。

清水安三は、この研究に10年の歳月を費やしているのである。

安三の論文を「探偵小説より面白い」と賀川が絶賛しているのであるから、ここに賀川豊彦と清水安三の和解は成った!

それが、そうはなっていない。タブーの世界に入り込んでしまったらしい。タブーの世界からの脱出は難しい。

かくして、以下のような展開になったわけである。もっとも重要なのは、武者小路実篤《新村堂》で知ったハンナ・アレントを用いたトルストイ『復活』の読解である。

  《中江藤樹隠れキリシタン論》
          ⬆
       『復活』
      ↙   ⬆   ↖
 『誰がために』  ➡   『嘔吐』
          ⬆
       『人間の条件』
          ⬆
        『翁問答』
          ⬆
       『胡麻と百合』

タブーの世界からの脱出には、永遠の課題を確保する《円環時間》と歴史の流れである《直線時間》とを組み合わせる工夫が必要である。

それほどタブーの世界からの脱出は難しいのである。

ところが、この難しさが克服されて離脱に成功するとは、強靭な知性の持ち主であることを証明してしまう。

偏差値であるとか学歴の問題もタブーの世界にあるから、教育問題も同時に解決してしまうわけである。

武者小路実篤の《新村堂》に強靭な知性が誕生することを準備しているはずだか、お誘いを受けながら、台風対策のため昨日の木曜会に伺えなかった。

タイロン・パワーの『怪傑ゾロ』を観た。