貯蓄、借金、X世代、Y世代 | Pull Myself up by My Bootstraps!

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タイトルは、統計学におけるBootstrap(現実のデータを基に、
現実と異なるショックが起きた場合のデータの振る舞いを分析する方法)の語源
「自分のブーツの紐を引っ張って足を上げる」→自分の置かれた環境を自分の努力で変える、という意味です。

今日はこちらのニュース記事から。

【NBC: One-Third of Americans Living on Financial Edge】

アメリカ人の貯蓄と借金の調査に関する記事なんですが、これによると・・・

・ 24%のアメリカ人は、いざというときのための貯蓄よりも、クレジットカードの負債の方が多い。

・ 13%のアメリカ人は、クレジットカードの負債を抱えていない一方で、いざというときのための貯蓄も持っていない。

ということで、約3分の1のアメリカ人は、個人レベルでの「金融危機」と背中合わせの生活をしている、という内容です。


世代別に見ると・・・

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Generation X is the group shortest on emergency savings, Bankrate found, largely because they are in an expensive stage of life. Some 32 percent of respondents aged 30 to 49 had more credit card debt than emergency savings.

Millennials are in relatively better shape, with just 21 percent of respondents between 18 and 29 having more credit card debt than emergency savings. Perhaps that is because they have not hit the high-spending years and perhaps, as McBride said, "You are looking at a generation that had a front row seat for the financial crisis, so they have a greater tendency to save ingrained in them."
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日本語でも、世代を言い表す表現として、ベビーブーマーとか団塊の世代とか、第二次ベビーブーマーとかいうものがあるように、英語でもそういうのがあるみたいです。

"Generation X"というのは、第二次世界大戦後のベビーブーム世代の次の世代のことを指すようです。年代で言えば、1960年代前半から1980年代前半生まれの世代です。

元々は写真家のRobert Capaが新世代を指す言葉として使った造語らしいですね。

そして、"Millennials"というのは、このX世代(Generation X)に続く世代を指す言葉なんだそうです。 Xの次なので、"Generation Y"と呼ばれることもあるみたいですね。だいたい1980年代前半から2000年代前半生まれの世代を指すようです。

Bankrateの調査によると、Generation Xに該当する30歳から49歳の世代では、32%がいざというときの貯蓄よりも多額のクレジットカード・ローンを抱えているそうです。

働き盛りのこの世代は、車や住宅を買ったり、子育ての費用が掛かったり、といった理由で、人生でも支出がかさむ時期を過ごしているからなのかも知れません。

これに対し、Millennialsに該当する18歳から29歳の世代では、いざというときの貯蓄よりもクレジットカードの負債の方が多いと答えた人は21%と、Generation Xよりも少ない結果となっています。

この理由としては、この世代がまだ多くの出費が必要となるステージに到達していない、ということもありますが、他にも、2008年以降の金融危機を最前線で目の当たりにしたことにより、他の世代よりも貯蓄をする傾向が体に沁みこんでいるingrained)ということも考えられるようです。



約3分の1のアメリカ人が、いざというときの貯蓄が不足しているという状況には少し驚く人もいらっしゃるかも知れません。

しかし、クレジットカードの負債よりも多くの貯蓄を持っている人が全体の58%という数字は、昨年の51%と比べると、少し改善している状況なんだそうです。