英語ではサッカー?フットボール? | Pull Myself up by My Bootstraps!

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タイトルは、統計学におけるBootstrap(現実のデータを基に、
現実と異なるショックが起きた場合のデータの振る舞いを分析する方法)の語源
「自分のブーツの紐を引っ張って足を上げる」→自分の置かれた環境を自分の努力で変える、という意味です。

こんにちは。

アメリカ代表対ガーナ代表は好ゲームでした。
顔面蹴られて鼻血まみれになりながら出場し続けた米国代表のデンプシーに心動かされました。
自分もあの闘志を見習わなきゃ。

さて、サッカーについて英語で話すとき、皆さんは

Soccer

と言いますか?それとも

Football

と言いますか??


・アメリカでは Soccer が普通。

・アメリカで Football って言ったらアメリカンフットボール

・イギリスでは Football

・サッカーのことをSoccerって言ってるのはアメリカぐらいで、サッカー先進国の多くは Football又はそれに相当する自国語(ドイツ語ならFußball、スペイン語ならFútbol等)

という印象の人が多いのではないでしょうか。僕も含めて。

こんな研究をしてる人が居ました。

【Why Americans Call Soccer 'Soccer'】
(なぜアメリカ人はサッカーのことを「サッカー」と呼ぶのか?)
http://www.theatlantic.com/international/archive/2014/06/why-we-call-soccer-soccer/372771/


Soccerはアメリカ生まれの英単語かと思いきやイギリス発祥!なんだそうです


どういうことかと言うと、19世紀後半のイギリスでフットボールのルールを統一するため、名門パブリックスクールの学生たちが協会(Association)を発足させ、だいたい今のようなサッカーのルールができました。

が、ルール統一の議論の過程で、ラグビー校の学生たちがサッカーよりも自由に手を使えるルールの競技を作って枝分かれしていきます。

皆さんご存知の ラグビー の始まりですね。

それ以来、

・元々の協会で定められたルールに基づく競技を Association Football

・ラグビー校が定めたルールに基づく競技を Rugby Football

と呼んで区別するようになり。



・「Association式の」を縮めた前者の略称として Soccer

・後者の略称として Rugby

が使われるようになったのだとか。

で、この記事に引用されているミシガン大学の研究者の論文が何をやっているかというと。


1900年以降のイギリス及びアメリカの新聞に登場したサッカー関連記事の中で、サッカーを指す言葉として"Football"が使われている割合と"Soccer"が使われている割合を丹念に数える


…おつかれさまです。


面白いことに、20世紀前半まではイギリスでも"Soccer"が普通に使われていたのが、第二次世界大戦後を境に使われなくなっていったことが分かったそうです。


論文著者の説明によると、

・アメリカ文化に染められるのを嫌ったイギリス人が、アメリカにもサッカーが浸透して、アメリカ人が"Soccer""Soccer"と言い出すようになったのを見て、"Soccer"という単語を忌避するようになったのではないか?

とのこと。


イギリス人
「なんだよ、近頃じゃヤンキーどもが調子に乗って『サッカー』『サッカー』って騒いじゃってさ。あんな俄か野郎なんか無視して、オレらはもう『サッカー』って呼ぶのやめようぜ!」


ってな感じでしょうか。


確かに サッカー・フットボール分布図 を見ると。
サッカーが盛んな国々ではないため、あまり目立たないのですが。

現在又は過去の英連邦加盟諸国(カナダ、オーストラリア、ニュージーランド、ナミビア、ボツワナ、南アフリカ、アイルランド)が "Soccer"又はそれに極めて近い単語を使っている

みたいでして、"Soccer"がイギリス生まれの英単語であることを窺わせます。




単語一つ取り上げても、歴史を辿ると色々面白いことが見えてくるんですねぇ。