14%→47% | Pull Myself up by My Bootstraps!

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タイトルは、統計学におけるBootstrap(現実のデータを基に、
現実と異なるショックが起きた場合のデータの振る舞いを分析する方法)の語源
「自分のブーツの紐を引っ張って足を上げる」→自分の置かれた環境を自分の努力で変える、という意味です。

大きな事件が起きると、人々の意見が変わることはよくあります。

NBCとWall Street Journalが行った世論調査によると、ほぼ半数(47%)のアメリカ人が

「アメリカは外交問題に対する関与をもっと控えるべき」

と考えており、より積極的な関与を求める声は19%にとどまるそうです。

【MSNBCニュース↓】
http://www.nbcnews.com/politics/first-read/47-say-u-s-should-reduce-role-world-affairs-n92871

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In a new NBC News/ Wall Street Journal poll, 47 percent of respondents said the U.S. should dial down its activity in foreign affairs, versus 19 percent who said the country should be more active around the globe. Three in ten respondents said the current level is correct.
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"dial down"は、ツマミを回して機械の音や温度や光の強さを弱めることから転じて、「鎮める、弱める」という意味。


今回の結果とは全く逆に、2001年に9・11テロが起きた直後の調査では、40%のアメリカ人が外交問題に対するより積極的な関与を求め、関与の消極化を求めるのは14%だったそうです。

しかし、それ以前の1990年代半ばには、3分の1のアメリカ人が、外交問題への関与を消極化させるべきだと考えていたそうです。

数字がどうだったのかはわかりませんが、ベトナム戦争のときも戦争が長期化するにつれ、国民の間で厭戦気運が高まり、撤退を要求する声が上がったことが休戦のきっかけの一つとなったようです。

90年代半ばは湾岸戦争に対する、そして今回は、9・11テロ後のイラク戦争に対する反省が国民の間に広がったことで、外交問題への関与を弱めるべきとの声が高まっているのでしょうか。

ニュースでは、オバマ大統領は以前から、外国の問題に対する過度な介入に反対する国民の声を認識してcognizant)おり、それが大統領選での彼に対する支持を駆り立てたgalvanize)と報じているのですが…

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Obama –whose rise to the presidency was built partially around his opposition to the Iraq War – is definitely cognizant of Americans’ aversion to too much intervention abroad. As recently as Tuesday, he defended his foreign policy strategy -- with a nod to the conflict that galvanized support for him as a candidate in 2007 and 2008.
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しかしながら、オバマ大統領の外交政策に賛成するとの回答は38%と、政権発足以来の低水準となっており、反対する声は53%に上るそうです。

現在のところ、ウクライナやシリアの問題に対する介入は小規模なものにとどまっているようですが、国民感情との間で今後どのような展開となっていくのでしょうか。