下の息子氏の最も好きでかつ得意な科目は、物理。その理由は「覚えることがほとんどないから」という、所属校アルアルのふざけた理由実は父もまったく同じだったことは彼には内緒。


その息子氏が「中学入試の図みたい」と言ったのが、これ。


今年の東大物理で与えられていた図。作問中に増殖していったのかなあ。


今年の物理はかなりビシバシきていたらしい。これは実に喜ばしい限り。「誘導クソ喰らえ」?の精神のもと、小問(1)から情け容赦なかったようで。いやこの「解けるもんやったら解いてみろ、おいこら」みたいな姿勢、大好き。それが許されるごくわずかな大学だから、そう来なくっちゃ。受験生とか社会に阿ることなく、どんどんやっていって欲しい。それがきっとこの大学の受験生の学力水準を上げていくことにもつながるはず。


息子が勉強しないといけないから「あまり好きではない」という化学では、ハーバー=ボッシュ法が取り上げられており目をひいた。これはアンモニア合成により化学肥料の大量生産を可能にして20世紀の社会を一変させることになる発見。このFritz Haberという人物、一方でアンモニア合成法の開発により食糧増産の道を切り拓き人口増に貢献、他方で第一次大戦のドイツによる毒ガス攻撃に化学者として参画し多数の人命を奪い、さらに大戦終結直後の1919年にアンモニア合成によりノーベル化学賞を受賞したことで、戦争責任とノーベル賞受賞をめぐり戦勝国の間で物議を醸したことで知られる人物。現在でもなお議論されている科学、社会、戦争の相互関係を考えるうえで、一つのケーススタディになりうる興味深い事例。


勉強の素材は色々あるものです。