お見合い相手の大学教授は
サザエさんに出てくる波平似。
これは、微妙な心境のまま
お見合いに臨む事になった友人、亜希子ちゃん(仮名)の
真実の記録である。(ナレーションはもみじでお送りしています)笑
お見合いおばちゃんに告げられたレストランの前には
日に焼けた波平らしき人物がポツンと1人立っていた。
奴が今日の相手だ。間違いない!
事前に写真を見ていた訳でもないのに
亜希子ちゃんは確信を持って波平に近づいた。
だって、彼は本当に波平にソックリだったから(爆)。
波平は顔を上げて亜希子ちゃんを1目見ると
キラキラと目を輝かせて喜びを顔いっぱいに表現した。
どうやら亜希子ちゃんのルックスが気に入ったらしい。
波兵似と知った時点で
「タイプじゃない」っと言っていた亜希子ちゃんだが
ブラインドデートで出会った時に嬉しそうな顔をされたら嫌な気はしない。
これは、この男と付き合うのかどうか?っと言う事以前
女としての純粋なプライドでもあるのだ。
「純粋で良い人なのかも・・・。(*^.^*)」
亜希子ちゃんの中で波平の評価が少しだけ上がった。
一通りの挨拶を済ませレストランの席に着く2人。
サザエさんに出てくる波平のイメージで
どちらかと言うと寡黙な日本男児を想像していたのだが
ハワイ島の波平は実に良く喋る男だったそうだ。
亜希子ちゃんも(ついでに私も)
良く喋る男が決して嫌いな訳ではない。
が、しかし
波平の選ぶ話題は
こちらに全く興味を抱かせない
面白くも、可笑しくもない話ばかりだったそうだ。
自分の家の裏にノブタが出没した話を
延々と3時間も話し続ける波平
まぁ、裏庭にノブタが出没したら
面白いネタになりそうだと私も思うのだが
それがオチも無いままに延々と3時間じゃ
うんざりする亜希子ちゃんの気持ちも理解出来る。
お見合いの席だと言うのに
亜希子ちゃんに関しての質問や
亜希子ちゃんが興味のありそうな話題をする事もなく
延々と自分が話したい話を続ける波平。
しかも、お見合いでノブタだもんなぁ~
私が以前デートしたゴキブリに匹敵するレベルだ。
そうこうしているうちにレストランは閉店時刻を迎えた。
他の客は次々と会計を済ませて帰っていく。
ウエイターはチェックをテーブルに置く。
が、しかし
ノブタの話に夢中になっている波平は気に留める様子すらない。
「彼の話が一段落したら帰宅を促そう。」そう思った亜希子ちゃんだが
彼の話はネバーエンディングストーリー(しかもオチなし)である。
ネバ・エンディングストォ~リィ~ イ~ イ~ イ~ ィ~ ィ~ ィ~♪
(↑映画、ネバーエンディングストーリのテーマ曲)
そうこうしている内に
レストランの従業員がしびれを切らしたらしく
他のテーブルの椅子を机の上に上げだした。
レストランの照明も薄暗く閉店モードに変わった。
従業員だって早く帰りたいのだろう。
いたたまれなくなった亜希子ちゃんが
「あのぉ~、もう閉店みたいだし、出ませんか?ヽ(;´ω`)ノ」
っと波平のノブタネタを遮って言うと
「おっ。そうか、そうか。」っと波平。
あぁ、やっと帰れる。
亜希子ちゃんがホッとしたのもつかの間
「すみませぇ~ん。水のお代わりを下さい。」
っと平然と波兵はウエイターに水を注文をした。
冷たいウエイターの視線をひしひしと感じ
(お前ら、閉店時間なんだよ!早く帰れよって奴ね。)
亜希子ちゃんは針のむしろの上にいるようだ。
が、しかし
波平は気に留める様子もなく
お喋りをしながらゆっくりと水を飲んでいる。
も、もうダメ!耐えられない。
。・゚゚・(≧д≦)・゚゚・。
亜希子ちゃんはすくっと立ち上がり
「もう出ましょう。」っとレストランを後にした。
波平・・・
彼は場の空気を読めない男だった。
亜希子ちゃんの心中を察することもなく
自分のしたい話を延々と続ける。
レストランの閉店時間を気にする事も無く
いつまでもその場に居続ける。
大学教授で「お勉強」は出来るとしても
コミュニケーション能力が欠如しているぞっ!
「あぁ、今回の相手はハズレだったな。(x_x;)」
っと家路についた亜希子ちゃん(トボトボ)。
・・・っと、今回のお見合いはここで終わるはずだった。
が、しかし
波平と亜希子ちゃんの話は
まだまだ続きが待ち受けているのだった!
波平の勘違いワールドはまだまだ続く。