10月5日に第2回目となる関東ロコモティブシンドローム研究会が無事終了しました。

 今回は研究会の会長である順天堂大学加齢制御医学講座教授の白澤卓二先生と、東京慈恵会医科大学整形外科准教授の斎藤充先生に講演していただきました。

 白澤先生からは100歳を超えてお元気だった方々の骨密度や、食生活など、そして、斎藤先生のお話につながる内容として、骨にとって必要不可欠なミネラルであるビタミンDについてのお話がありました。


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斎藤充先生

斎藤先生は「骨質」を研究されていらっしゃいます。「骨密度」はなじみのある言葉かと思いますが、「骨質」は知ってるようで知らない言葉ではないでしょうか。

「骨質」は建物に例えると鉄骨部分にあたります。骨の細胞の数が足りていても、鉄骨にあたるコラーゲンなどが弱くなってしまうと、結局は骨がつぶれて来たり、折れやすくなってしまうのです。

斎藤先生はこのあたりのところをわかりやすく説明してくださいました。

 外来をやっていると、レントゲンで骨がつぶれてきているけれど骨密度測定をするとあまり悪い結果でない、という方に時々出会います。 骨密度が低くなくてもレントゲンで圧迫骨折(背骨がつぶれてくる状態)があれば「骨粗鬆症」として治療を開始するのが普通ですが、患者さんとしては骨密度が高いのに、なぜ骨がつぶれるんだろう、という疑問があることと思います。

 私たちも今まではその点をあまり明確に説明することができませんでしたが、骨質の概念が登場し、斎藤先生の研究でいろいろなことが明らかになるにつれ、はっきりと「骨密度が低くなくても油断してはいけない!」といえるようになってきました。

 そして、骨質を弱らせる原因のひとつが「糖化」であるということもわかってきています。

糖尿病の患者さんでは骨質が低下していることがはっきりわかっています。実験でも、砂糖水にひたした骨が、普通の骨よりも弱い力で折れてしまうことが確認されています。

 つまり、「メタボになると骨折の危険が高まる!」といえるのです。

「メタボはロコモにつながる!」ということを科学的に証明していることを細かく教えてくださる素晴らしい講義でした!

 斎藤先生はこの「糖化」による骨粗鬆症を調べるための検査に健康保険が使えるよう尽力されていらっしゃいます。 近い将来、保険で骨質が調べられる日が来るでしょう。

 でもそれを待っていてはおそすぎます。「メタボはロコモ」がわかっているのですが、今からメタボを予防し、筋肉と骨に刺激をあたえる生活をすることが将来の骨折予防、寝たきり予防、すなわち「ロコモティブシンドローム予防」につながるのです。

 最近の私のブログはロコモティブシンドロームに関することが多かったので、読んでくださった方はもうロコモ予防してますね! 

 メタボもロコモも予防して、心も体もアンチエイジングしましょう!

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懇親会の一コマ。

白澤先生のお話は6日に行われた「10歳若返るアンチエイジングキャンプ」の報告の中でもまた紹介したいと思います!