今日は本当は長男の遠足だったのですが、あいにくの雨で延期。
さて、延期になった日の仕事の都合をどうするか、激しく思案中です。

前回の記事で京都での学会に参加したことを書きましたが、今日はまた続きです。

今回どうしても聞きたかった講演のひとつが、茶道の裏千家の前家元、千玄室さんの講演です。(おお、裏千家ホームページ発見!)

母が茶道をするので、私も子供の頃はちょっと習っていました。最近はお菓子を食べてお茶を飲むだけですが、以前から茶道とアンチエイジングの関係についてはブログでもお話させていただいてきましたが、今回は前の家元さんのお話があると聞いて、とても楽しみにしていました。

玄室さんは御年88歳です。お写真で見ての通りの若々しさ。やっぱりお茶はアンチエジングにいいんだな、と素直に納得できます。

玄室さんは何があっても8時半には布団に入るり、早起き(3時か4時頃とおっしゃっていたように思います。)して天気が悪くても庭をまわり、海軍体操をして(戦時中は海軍に従軍していたそうです。)頭がすっきりした5時頃から原稿を書く、という習慣です。

元気で長生きの方にはこうした規則正しい習慣があることが多いように感じます。

それに、22時~2時頃の時間帯に成長ホルモンが多く分泌されるということがわかっています。大人になってからの成長ホルモンは体のメンテナンス(修理)に使われます。つまり、修理されないところは老化していくというわけです。 「寝る子は育つ」のことわざ通り、眠っていた方が多く分泌されるので、玄室さんの8時半の寝る、という習慣はとてもアンチエイジングにかなっているのです。

そして、毎日たくさん緑茶を飲むでしょう。(特に言われませんでしたが、私たちよりは圧倒的に飲むでしょうね。)緑茶のビタミンCやカテキンの抗酸化効果は有名ですよね。

海軍時代の辛いお話も伺って、思わず涙するときもありましたが、今回いちばん心に残ったのは、
「青山緑水是我家」という言葉です。

「自分の住まいは山、緑、川のあるこの自然である。私たちはこの地球に住まわせていただいている、ということを忘れてしまっているのではないでしょうか。」とおっしゃっていました。

現在も収束の気配を見せない原発事故、原発に頼って来てしまった人類全体へ向けられたメッセージでした。

茶道には「夜話(よばなし)」と言って、夜、暗い茶室でろうそくの明かりだけでお茶を楽しむというものがあります。もともと茶室には電気はありません。そのことをお話されて、足るを知ることの大切さも教えて下さいました。

他にも、お茶を飲む時に茶碗を何回まわすのかをよく聞かれるが、「何回まわすかは問題ではないんです。自分の正面に相対したところを少し外すことで一歩下がった気持ちになる。謙虚な気持ちを持とうということの教えなのです。」とのことでした。

精神的には禅の思想と深く結びついている茶道です。その世界を知るだけでも交感神経がリラックスしそうですね。

医学的に見ても、まずはお手前(お茶をたてる作法)をするときの姿勢の維持や、道具を持って出入りするときに手を使わずに畳から立ち上がることには、脚力、腹筋などが必要になります。

手順はもちろん、道具、掛け軸、花など、お茶に関わるいろいろなことを勉強し、ある程度覚えていなければならないので脳も刺激されます。

加えてお茶のビタミンC、カテキンなど、体の中に入るものもアンチエイジング効果はばっちりです。

というわけで、とてもすばらしいお話が聞けて、大満足の学会最終日でした。もっともっといろいろなことをお聞きしたのですが、ここに書いたものを読むよりも直接お聞きになった方が数倍感動します。機会があったらぜひ講演をお聞きすることをお勧めします。

ロビーではお茶が飲める企画がありました。お弟子さんたち(だと思いますが)がたててくださいました。



$ハッピーエイジングワールド-b

そのときのお菓子。

うっかり楊枝を入れてしまいました!

肝心のお茶の写真は撮るのを忘れちゃったのですが、お茶碗がとてもかわいかったです。

このとき一緒にお茶を飲んだのは、徳島で開業している西新町二丁目クリニックの斉藤彰浩先生と美奈子先生のご夫妻。美奈子先生は大学の同級生で、一緒に試験勉強をしたり遊びに行ったりした仲です。最近アンチエイジングの力を入れられていて、抗加齢医学会にも入会されました。

新幹線の時間があったので少ししか話せなかったのですが、8年ぶりくらいに会うことができました。

いろいろな意味で充実した今回の学会でした。何よりもよかったのは子供たちが熱を出さなかったことです!