その声を聞くと焦るんだ。
もうすぐこの怠惰な時間が終わるって。


ブルーブルーマンデー



ランドセルを開けて溜息をついた。

金曜日にやるつもりだった。
土曜日に明日でいいかと思った。
日曜日にサ○エさんが終わったらやればいいと思った。

「忘れてた。」

朝ごはんまであと5分。
家をでるまであと20分。
テレビで、時間を告げる目覚まし時計が高い声。

『7時25分!7時25分!』

なんでそういう半端な時間に言うんだろう。

大人になればわかるんだろうなぁ。


世の中ってそういうもんだよ?


おととし生まれた妹がランドセルに頭をつっこんで喜んでる。


それはそういうもんじゃないんだよ?


お前は2歳にして僕より相当世渡り上手みたいだけど、まだまだわかってない。
いいかい?ランドセルの中は異世界なんだ。

帰ったら絶対すぐやろうと思って宿題を入れるだろ?帰りの会の間は大丈夫だけど、帰る寸前に
その銀色の金具をまわすと魔法にかかるんだ。

僕は宿題の存在を忘れる。

うちに帰ってからも思い出さない。

でも寝る前だけ、
眠る前だけ、

心臓が急にはねて、ランドセルから魔物の声。


いいの?
いいの?

・・・じゃあ、じゃあ、明日やるよ

でも、その金具の封印は朝は解けない。


「そしてついに、僕に襲い掛かるわけ。」




学校についてノートを広げる。
先生が来るまであと5分。


僕は鉛筆を走らせる。


5分後、僕は思い知る。
5分前にあの目覚まし時計が叫ぶ、そのわけを。




『諦めろ!ブルーマンデーはもう始まった!』