みなさんは、虫の標本を作ったことはありますか?我が家で飼育して、お亡くなりになった虫たちは大切に育ててきたものなので、基本的に標本にしています。 

標本作りを残酷だ、可哀想という声も耳にします。自分の中でも、その点はだいぶ悩んでおりました。

結論、標本目的の採集や殺虫は行わず、どうしても標本にしたいものは、飼い方を研究して寿命まで育てるという意見に落ち着きました。標本にすることの価値は大いにあります。例えば、標本に残すことで、絶滅種や外来生物の侵攻にいち早く気づいたり、虫の減少をデータとして記録したりできます。まあ、今回は、標本の意義はおいておいて、そろそろ標本作りの話をしていきます。



まず、標本にするための虫の死骸が要ります。これがないと話が始まりませんね。なんの虫でもいいです。飼っていたカブトムシやら、庭で死んだセミとか蜂とかでもいいでしょう。

虫の死体が新鮮なら問題はそこまでないですが、時間が経っているものや、冷凍保存(死体が腐らず長持ちする)しておいたものなら、乾燥してカチカチになっているので必ず軟化しないといけません。要は硬いままではすぐ足などが折れてしまうのでほぐすのです。熱すぎない程度のお湯とか、常温水とかでもいいです。しばらくつけておいて、体が柔らかくなったら(足などを触って簡単に動くくらい)水分を拭き取り、実際に作っていきます。


ここからは、前回お亡くなりの報告をした、ダンダラテントウを例に説明していきます。


①虫の標本の形を決める。

標本を見たことある人ならわかるかもしれませんが、虫でも種類によって基本となるポーズが変わってきます。はじめは、基本の形を作っていくのが良いでしょう。また、羽を広げたバージョンとか、何らかのアクションを再現するなど、同じ虫でも色々工夫すれば、箱にしまったときのインパクトや、見栄えが良くなるでしょう。(各虫については各自調べるか、コメントで聞かれれば回答します。)


テントウ…一般には、小さいものは簡単に足を整えて台紙に貼り付けて完成。ですが、今回は、羽を広げたバージョンにしてみます。


②決めた形に沿って、作っていく。

準備物です。


・軸の針(錆びたりしないよう、専用が良い)

下図(志賀昆虫針)はおすすめです。

No.さん3くらいが使い勝手がいいです。
青は針先に突起がないもの(無頭針)。慣れてないと少し使いにくいので若干値段は高いですが赤い方を買いましょう。


・ピンセット…足などを整える用。無くても良い

・発泡スチロール板等…標本を作ったり乾燥される用の   もの。代用できるものなら良い。

・まち針…足などを固定するために周りに刺す(最後は外す)自分は、昆虫針の細いもので代用しています。

後は蝶類などで使う展翅用の台などありますが、必要があれば増やしていきましょう。専門店などで店員さんに聞いたら教えてくださるでしょう。

・木工用ボンド…修復用なのでなくても良い



まずは、最終的に軸となって残る針を(甲虫なら背中の右より)刺します。このとき、基本的にまっすぐ垂直に刺してあるか確認してください。今回は、飛ぶところなので少し斜めにしました。

しっかり刺したら、体を少し浮く感じにして、脚や触覚、翅など整えていきます。ここらへんははじめは難しいですがやってれば慣れです。後はどこまでで妥協するか、で、こだわると数時間かかってしまいます。


てんとう虫は、小さすぎて一苦労…水につけて柔らかくしてもなお難しいですね。やはり小さい虫は大事に貼る方が楽だと痛感しました。(それでも完成度を求めたいが)みなさんは、ほどほどにしましょう。

主に夜作業するのですが、寝るのが遅くなりすぎてしまうこともあります。翌日の学校等に支障が出ないようにしましょう。


③一通り展翅や展足し終わったら、全体のバランスを見てまた整えていきます。ここも凝ると無限ループに入ります。程々にしたら、とりあえず作業は完成です。もし外れてしまった足などがあれば、形を整えて木工用ボンドで止めます。ちょうど乾燥終わりのアオドウガネの画像(イメージ用)を貼っときます。右後ろ足の先はボンドで止め直していますが、ほぼわかりません。



④乾燥させる 
乾燥させないと形も固まらず、完成しませんし、菌やハエ等に駄目にされる可能性もあります。友達のものには、小さなダニや虫が大量にたかっていました。そうなってしますと頑張って育てたり、整えたりした標本がダメになってしますので、必ず防虫剤とともに密閉するか、日陰で乾いた涼しいところで保管します。日に当たると色が抜けてしまうので注意しましょう。冷凍庫で低温乾燥させるなどもあるそうです。気になったら調べてみてください。
虫によりますが、2週間から1ヶ月ほど乾燥させればよいです。週一くらいで、被害がないか確認したほうが良いかもしれないです。我が家では防虫剤がほぼないので、毎日確認しております。乾燥したら、周りの針は全部抜いて、軸の一本にします。そして、標本箱に入れるのがベストですが、まあ、タッパーであったり使わない弁当箱などに入れて保存します。長持ちさせたいなら、値段は張りますが、ちゃんとした箱を買いましょう。

⑤最後になりましたが、最も大切な作業が残っています。それは、ラベル作りです。
いつ誰がどこで取ったのかを書き込んだ紙で、標本とともに同じ軸針に刺します。できる限り虫の名前も入れます。そうすれば一目でこの虫が何なのか、などデータがわかります。ラベルは主にケント紙などに鉛筆等で書きます。ペンなどは時間が立つと劣化してインクが消えて見えなくなるおそれがあるからです。
ラベルなしでは標本に価値はなく、ただの死骸だと言われるくらい、ラベルは大切なものです。死骸はどうかと思いますが…まあ、少なくとも標本としての価値はなくなってしまいます。
命を落とした虫たちのためにも、しっかりとした標本として残してあげましょう。後は、思うように色々作って試してみてください。標本にすることでしっかり観察し、新たにわかること、学べることも多く、作業の中にも多くの学びがあるでしょう。

では最後に、完成したテントウと、お気に入りの標本を数点紹介します。


ダンダラテントウ(展翅バージョン)

一枚目の、羽のオレンジ模様は薄すぎて、標本で展翅するまでわかりませんでした。この模様が、種類特定に繋がりました。


エンマコオロギ

羽を広げてなくシーンを再現。
羽の仕組みなどじっくり観察できます。

センチコガネ
実物は写真の数倍美しい。とにかくきれいな虫です。
世界一とまでは行かなくとも、世界有数のきれいな虫です。