以前紹介した『悲しみのイレーヌ』の続編です。和訳はこちらが先なので、日本では順番がちぐはぐになってしまうようですのでお気を付けください。

①悲しみのイレーヌ

②その女アレックス

③わが母なるロージー(中編で最新)

④傷だらけのカミーユ

の順となっております。

 

 ある日のアレックスの身に起きた出来事から始まり、事件を追うヴェルーヴェン。アレックスを救うべく、事件の真相に近付くことがようやく出来た頃、全てが上手く行かなくなってしまい、また謎が増える。

 『悲しみのイレーヌ』から読んだわたしとしては、どのようなミステリーが潜み、わたしにミスリードをさせようとしているのか。よもや『悲しみのイレーヌ』のようなトリックは有り得ないとして、フーダニット(誰がやったのか)、ホワイダニット(なぜやったのか)を読みながらずっと考えました。

 綺麗で可愛くもある魅力的なアレックスが何故事件に巻き込まれたのか。次から次へと展開していくストーリーに引き込まれつつ、予想だにしない結末に驚きました。やはり嫌なミステリーであること、表現が痛々しいことは前作同様でありますが、実直で短気なヴェルーヴェン警部と、強く魅力的に描かれるアレックスのコントラストが面白く、一人一人の登場人物の信念の強さに釘付けでした。

 

 2020年現在、『わが母なるロージー』は読破しておりませんが、次作である『傷だらけのカミーユ』も追って紹介いたします。このシリーズは是非読んて頂きたいと思っております。