世の中を見わたすと、似て非なるものって結構ありますよね。



「そうめん」 と 「ひやむぎ」


「ざるそば」 と 「もりそば」


「しらたき」 と 「糸こんにゃく」


「たこ焼き」 と 「明石焼き」


「狛犬」 と 「シーサー」


「リンス」 と 「コンディショナー」


「黒田アーサー」 と 「マイケル富岡」 

(個人的に、見分けがつかない w)



なんでその微妙な差が生まれたのか、いつか知りたいと思いつつも

わざわざ調べるまでのことでもないことも多くて、

気になりつつも放置、みたいな・・・




9月に入ってから3回に渡り、お友達であり育児の先輩、先生でもある

北村倫子 先生から、アドラー心理学をベースにした

『勇気づけ』という子育ての理論を学び、そこで『ほめる』とは

似て非なだるものだということがストンと腑に落ちて、

なんとも爽快な気分になりました。



ちょっと前から子供をほめて育てよう的なブームがありますが、

私的には、ちょっと



ん?



って感じのところも多かったんですよね。




「ほめる」って絶対的に必要だし、子育てにとっても

大事なことだとは思うんですけど、何でもかんでもとにかく

子供をほめまくって自信をつけさせましょう!っていう感じを

全面に出して子育ての是としているような論調には、

ちょっと疑問を感じていまして。




子供って大人が思っているよりははるかに利口で、

ほめられ慣れてくると、それが行動の条件付になっちゃうんですよね。




何か行動があって、それを認められてほめられる



だったのが、



褒めてくれるから行動する、褒めてくれなさそうだから行動しない



っていう感じになっていくんじゃないかって思ってたんです。



実際それは大いにあるようで、やっぱり何でもかんでも

ほめちぎっていればいいわけでもなさそうで、

そのちょっと不都合が生じがちな部分をうまいこと補っているのが、

似て非なる「勇気づけ」という概念なわけです。




「勇気づけ」には定義があって、



『勇気づけ』とは困難を克服する活力を与えること



なんだそうです。

学んでいて、確かに言い得ているなって実感しました。





例えば、子供がテストで100点を取ってきたとしますよね。

それを「ほめる」場合は、こういう感じだと思うんです。




「偉いね!やれば出来る子だもんね、次もまた頑張ってね!」




親子の上下関係で、子供に評価的態度で接していますよね。

もし私が繰り返し親から「頑張れよ」なんて言われていたらそのうち、




「お前も頑張れよ(  ̄っ ̄)」




って言ってやりたくなります(笑)






ではでは、「勇気づけ」の場合はどうなるか。




「すごいね!ママが100点取ったみたいに嬉しくなっちゃったよ!」




親が子に対等な関係として共感して、親が感じた感情を伝えてますよね。

私がもし子供だったら、自分のしたことが親の気持ちを動かした

ということに、自信が持てるようになると思います。



ただ似て非なるものとは言いつつも、「ほめる」と「勇気づけ」は

明確に分けられるものではないので、言葉によっては同じ言葉で

ほめ言葉にも勇気づけにもなることもあるのですが、

逆に「勇気づけ」にはならない言葉はいくつかあるようです。



●やればできる


●うらやましい(自分を相対的に下げてしまう)


●頑張ってね(プレッシャーを与える)


●素晴らしい(表面的な感じを与える)


●大丈夫(その場しのぎ的になりがち)




また、勇気づけをする側が気をつけなくてはならないのは、

たとえ相手が失敗したとしてもそれを受け入れて、相手の

良い部分にフォーカスして進歩や成長を認めること。



そして相手を信頼して、共感して、尊敬する態度が

大切なポイントでもあります。




私も以前から子供たちに対しては、どちらかといえばほめるよりは

勇気づけに近い形で言葉がけをしてきていました。



自分にきちんと自信を持てる子供になって欲しかったので、

自尊心がまっすぐ育つような言葉がけを意識してました。



それって特別なことをほめたり認めたりするよりも、むしろ

日常の中で当たり前なことを、さりげなく認めてあげることが

子供にとって一番自信につながるような気がします。




特別なことをすればほめてもらえるっていうのは、

知恵が出てくれば子供の方も分かってきますから。



それよりは、



「え?なんでこんなことでほめられてるんだろう??

しかもえらく感動されちゃってるし w」



くらいのことの方が、親が自分のことをいつも気にかけて

見ていてくれているんだっていうことも、伝わります。



だからうちではみんな、普通だったらさらっと流してしまいがちな

人の良いところを見つけるのがとてもうまいです。




友達のいいところをスラスラ言える子供たちに感動して、

かえって親のほうが勇気をもらうことがあります。



そしてまたその、勇気をもらってママは嬉しかったという

ことをそのまま子供たちに伝えます。




勇気づけの良い循環が起こります。




本来、人間は誰かの役に立ちたいという欲求があります。



自分のしたことが誰かを感動させたり、ポジティブな気持ちに

させたという実感こそが、人が成長していく上での

大きな活力になることは間違いないと思います。



そして健全な自尊心が備わるように応援することが、

困難を克服できる大きな力になる。

本当にその通りだと思います。



家庭だけじゃなくて、教育に携わる人々の中でも

上手に子供を勇気づけできる人が増えて行ったら、

いじめをしてしまう子も、いじめで苦しむ子も、

きっと減るだろうな。



でも、まずは家庭から!

今日からちょっと「勇気づけ」を意識してみませんか?