腰痛には局所麻酔?鍼治療? part2 | think

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はじめまして。
「think」は鍼灸、想像力や創造力、「わたし」を取り巻く様々な事について感じたことを書いているblogです。

前回のblogで紹介した同タイトルの研究の結果です。

論文によると、結果は…

「腰痛には局所麻酔注射より鍼の方が有効」とのこと。


所属3年目の東洋医学臨床研究所での論文読み合わせ会(抄読会)。
卒業後も、毎週月曜日、臨床に出させてもらいながら、抄読会にも参加しています。

抄読会とは、研究生と在学生と講師各自が、興味を持った論文を要約してみんなの前でどんな論文なのかをかみ砕いて発表し、それが「優れた論文なのか、問題点はどこか、論文に信憑背はあるか…」などを検証する時間です。

在学中の2年間で、150近い論文に触れて来たと思います。

この時間は、自分の知りたい事を自由に調べて先生にアドバイスをもらえる贅沢な時間で、私にとって学校の授業以上に自分を磨く場になっていたと感じます。

学術論文を読む機会は、研究者を目指すならともかく、国家資格取得を目指す鍼灸学校の学生にはあまりありません。

また、臨床に出てからも、よほど熱心に症例を研究したり、自分で論文を書こうと思う人でないと、読む機会は無いのではないでしょうか。

特に、臨床に出てしまうと「学問と臨床は違う」と言って、基礎や研究を軽んじる傾向があるように思います。

もちろん、人の身体は一人として同じではなく、教科書通りにはいかないでしょう。

しかし、研究は、臨床を裏付けるためにとても有効な場合があります。

それは、研究が臨床を元に仮説を立て、臨床に役立てるためにあるからです。

鍼灸の学術論文をインターネットで検索すると、海外のものがとても多く、アメリカのハーバード大学などの有名大学の学生による優れた論文が数多くあります。

日本の鍼灸は、痛くなくて効果がある、とても繊細な医療でありアートです。

日本の鍼灸師が、臨床に留まり個々のレベルを上げる事も大切ですが、もっと積極的に世界中の論文に触れたり情報交換をする事で、日本の鍼灸レベルを上げ、世界の鍼灸事情を知る足掛かりになるのではないかなと、研究室に所属して論文に触れていると、感じます。



以下、今回の論文より抽出した文章より ↓ ↓ ↓




【鍼灸医学的言及】

鍼治療は物理的刺激のみで、局所注射は物理的刺激に加え麻酔を使用する。

2群の効果の相違は痛みの抑制機構の違いに起因すると考えられ、痛みの種類や程度によっては物理的刺激単独がより有効に働くと言及。


【鍼治療による痛みの抑制機序】

生体組織に与えられた物理的刺激が、神経求心路を介して中枢に伝導、伝達され、人体に備わっている痛みの抑制機構が腑賦活されるものと考えられている。

また、雀啄術による強い刺激を組織に与えていると推測され、刺激療法の効果を更に助長した可能性が高い。


【 局所麻酔薬の痛みの抑制機序 】

麻酔薬が、知覚神経に作用して痛みの伝導を遮断すると考えられている。    


【Abstractorのコメントより】

本研究は、腰痛に対して西洋医学的治療である局所注射と鍼治療を比較した興味深い研究である。

評価項目には信頼性の高いものを用いており、評価結果も適切に記載されている。

本研究の対象者の年齢が70歳以上となっているため、退行変性以外の腰痛を含む全ての腰痛に本研究が該当する可能性に関しては本研究のみでは言及できない。

研究内容に関しては改善を求める点はあるものの、腰痛は鍼灸治療で最も多い主訴の一つであるため、様々な角度から引き続き臨床研究を期待する。  




全日本鍼灸師会 論文データベースより、
「腰痛に対する局所鍼治療と局所注射の比較」
http://acupuncture.jp/dspace/handle/10592/19444